日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
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議会質問

2024.08.07

5.「たばこマナー、このままでは区民満足度が上がるのか?データから読み解く!」【令和6年予算特別委員会】

【令和6年3月第1回定例会 予算特別委員会】

5.「受動喫煙対策について」【区民生活領域】(質問数8)

《質問》
昨年より伺っております受動喫煙対策を取り上げます。
昨年10月6日の決算特別委員会での私の質問に対して、たばこマナーに関する区民満足度について、来年度65%の目標があるとのご答弁がございましたが、その際、現状では6年度の目標達成は困難ですと、諦めたようなご答弁もございましたが、諦めてもらっては困ります。
令和6年度に掲げられた区民満足度65%の目標に向けて、どのような具体的な施策を実施する計画か、詳細を伺います。

→《区の答弁》野元環境保全課長
令和5年5月に区が実施した区民意識調査では、たばこマナーに関する満足度は46.1%でした。区民満足度を向上させるためには、たばこの煙や臭いによる迷惑行為をなくすことが有効と考えております。特に煙や臭いの苦情が多い三軒茶屋の指定喫煙場所につきましては、現行設備の改善に早急に着手する予定です。また、煙や臭いが漏れにくいコンテナ型やトレーラー型の閉鎖型喫煙場所の整備を進めるとともに、民間喫煙場所設置への助成を行い、路上等における分煙環境を充実させることにより、区民満足度の向上につなげてまいります。

《質問》
区民満足度、その年度目標について達成できないのであれば、次のステップ、次の施策に移行するのが行政の在り方だと思います。昨年取り上げました世田谷区たばこルールについて引き続き質問させていただきます。
こちら、パネルをご覧ください。(パネルにエビデンスのグラフデータをお見せしました)世田谷区たばこルールの概要に掲載されている区民アンケートのグラフとなります。こちらは前回もお見せいたしましたが、全体と喫煙者のみをパーセンテージのみで示し、非喫煙者のみのグラフは示されておりません。さらに、グラフの分母に注目をしていただきたいのですが、こちら数字が出ておりまして、上の全体は1499、そして下の喫煙者のみは154となっており、約10倍と大幅に違う数値をパーセントで比べているといった状態になります。これは比べるのに意味がないと考えます。
明らかに条件の違うグラフを示し、あたかも同じ条件で比較しているように、ミスリードを見せかけるようなグラフとなっております。イコールコンディションでグラフを示していないのは、情報リテラシーの観点からも問題があると思います。
そして、こちらのパネルをご覧ください。(別のパネルをお見せしました)私が区が出していたグラフから抽出して作り直したものとなります。全体、喫煙者、非喫煙者のパーセンテージではなく、人数で示したグラフとなり、正しい同条件で作るとこのような形が正しいアンケート結果となります。
割合ではなく人数に直して説明いたしますと、非喫煙者1320人のうち887人が過料等つきの罰則を求めております。一方で、喫煙者で啓発活動のみを支持し、過料等つきの罰則を求めない声は85人にとどまります。887人もの非喫煙者が過料つきの罰則を求めている現状を鑑みれば、85人の喫煙者の意見を優先して規制を行わないことは、社会的合意形成において不均衡ではないでしょうか。
こちらのアンケートとグラフを参考にしてつくった条例が世田谷区たばこルールとのことですが、区民の意見も反映されていなく、また、その後の区民満足度も大幅な変化がない条例は、改めて考え直す必要があるのは一目瞭然です。令和6年度までに目標を達成しない場合には、条例に罰則規定を設けることを検討いただきたいと考えておりますが、この点について区の見解を伺いたいと思います。

→《区の答弁》野元環境保全課長
区では、喫煙する人としない人が理解を深め合い、たばこマナーが向上するまちづくりを目指し、世田谷区たばこルールを策定いたしました。ルールの浸透に向け、この間、啓発や指導を行ってまいりました。指導に関しましては、対話を重視し、問いかけにより、路上喫煙がなぜ禁止されているかを喫煙者にご理解いただきながらルールを守っていただくようお願いするやり方を取ってまいりました。たばこルール策定からな年が経過し、路上喫煙調査や区民意識調査の結果から、それら啓発や対話の効果が一定程度あらわれていると考えてございます。一方、過料を科すことで、路上喫煙防止につなげている自治体もあり、それらの情報を収集し、実効性や費用対効果の把握も行ってまいります。
令和6年度まで目標達成しない場合にはとのご指摘ですが、来年度からは巡回指導に加え、新たに定点指導も実施予定のため、その効果も検証し、啓発指導を中心に理解を求めつつ、様々な手法を検討し、これまで以上に路上喫煙の防止に取り組んでまいります。

《質問》
区民の大多数の意見は、罰則規定つき条例だということが区の調査で明らかになっているわけです。令和6年度の目標達成に向けて、区民の意見をどのように反映させ、満足度向上のための新たな取組みを展開するか伺います。

→《区の答弁》野元環境保全課長
区では、日々、路上喫煙に関する区民からの相談や様々な御意見、御要望をいただいております。中でも路上喫煙に対する指導を要望する声が多く、環境美化指導員による巡回指導を実施しております。また、電柱巻き看板や路面標示シートの設置、地域の町会・自治会、商店街やたばこ関連事業者等と協力したキャンペーンによる周知などにも取り組んでおり、たばこルールの理解が得られるよう努めております。
来年度は、巡回指導に加え、定点指導を新たに実施することにより、路上喫煙者への周知啓発を徹底し、区民満足度の向上を図ってまいります。

《質問》
環境美化指導員による巡回指導を実施しているにもかかわらず、区民からは路上喫煙に対する指導を要望する声が多いということでした。
今後、周知啓発をさらにしていくということです。周知啓発活動について特に問題が多い下北沢では既に看板が設置されており、今後、三軒茶屋でも看板を立てる予定だと伺いました。
パネルを御覧ください。こちらがその看板となります。こちらをぱっと見ましても、文字数がすごく多いですし、見てすぐ、こちらでたばこを吸わないでおこうと思うようなデザインとはあまり思えません。そして、世田谷区は、「SETAGAYA CITY」で統一されていると思うんですけれども、「CITY OF SETAGAYA」と書いてありまして、こちらは改善の余地が大いにあると考えられます。
喫煙者への啓発を目的としている以上、喫煙者に対してよりメッセージ性のあるデザインで伝え、喫煙マナーの改善を促すようなインパクトのあるデザインへの改善意向はございますでしょうか、伺います。

→《区の答弁》野元環境保全課長
看板のデザインにつきましては、高いメッセージ力が求められる一方、周辺環境にマッチする色彩なども重要な要素と認識してございます。看板につきましては、たばこルール策定時に公募で選ばれたデザインを使用したり、放置自転車禁止の看板と組み合わせて表示したりと、地域や設置場所に合わせて作成しております。看板のデザインに関しましては、他自治体の看板も参考にし、地域の意見も取り入れながら、伝わりやすいものを検討してまいります。

《質問》
渋谷区などでは、デザインについて、区が主体的になってこだわって広報を行っています。この点、私が企画総務委員会でも伺っておりますデザイン思考の観点も持っていただきたいと思います。その上で、特に人が集まる繁華街での対策の強化をしていただきたいと思います。
三軒茶屋、下北沢、二子玉川といった地域は、多くの区民や観光客が訪れる場所であり、受動喫煙のリスクが特に高いと考えられます。これらの繁華街において受動喫煙対策を重点的に行うことは、公共の場での健康保護をさらに強化する上で極めて重要です。三軒茶屋、下北沢、二子玉川などの繁華街を対象とした受動喫煙対策の強化について、区の具体的な見解を改めて伺いたいと思います。

→《区の答弁》 野元環境保全課長
三軒茶屋駅周辺等の人が集まる繁華街では、たばこの煙や臭いに対する御意見を多くいただいております。指定喫煙場所は設置しているものの、路上喫煙のほか、喫煙場所の外で喫煙してしまうケースも多く見られます。これに対応するため、より指導啓発に取り組む必要があると考えており、来年度から、これらの場所を重点的に対策するための取組として、新たに定点指導を実施する予定でございます。

《質問》
来年度から、新たに定点指導という予算が設定され、実施されるとのことで、その取組について何点か質問させていただきます。
まず、定点指導とは、具体的にどのような形で実施されるのか、そしてその効果に対する期待について伺いたいと思います。

→《区の答弁》 野元環境保全課長
例えば特に夜間の時間帯にマナーが守られていない傾向があることから、啓発員が指定喫煙場所に張りついてマナー違反者に対して指導啓発を行い、トラブル発生にも対処していくことを考えております。この定点指導の実施により、たばこマナーの向上が一層図られることを期待しております。

《質問》
この取組でマナー向上をさらに図るということですけれども、条例を制定し、過料を徴収する労力、コストと変わらないと思うのですが、そちらはいかがでしょうか、伺います。

→《区の答弁》 野元環境保全課長
まず、たばこルールにつきましては、吸う人も吸わない人も理解し、マナーが向上するまちづくりという、そういう理念を基に区の施策を実施してきたものでございます。コストが同じようなことというのもあるかと思いますが、区としては、最初の理念に基づきましてまだできることはあるのではないかというふうに考えておりますので、例えば指定喫煙場所の整備をきちんとしていくとか、指導強化を徹底していくとか、そういう取組によってこのたばこルールの皆さんの理解を得ていこうというふうに考えております。

《質問》
過料徴収は、一向にマナー向上に資さない現行の指導よりも効果は高く、費用対効果の面でも優れていると思います。そもそもこの世田谷区たばこルールは、区民の大多数の意見が反映されていないルールですので、そう簡単に区民満足度が上がるものではないと考えられますし、区民満足度の65%の目標も大幅に達成をしていないのが現状です。
平成29年4月に実施した全25問の詳しい調査である「世田谷区路上喫煙等に関するアンケート」調査がありましたが、こちらは7年前のデータとなりますので、同じ質問形式で再度アンケートを取り、現状調査をしていただきたいと考えますが、区の見解を伺います。
また、毎年1回、区民意識調査の中の項目に、たばこマナーのアンケートを取っているとのことですが、この点、同じ質問形式をしっかりと続けてほしいのですが、確認のため伺います。

→《区の答弁》野元環境保全課長
アンケートにつきましては、質問内容等を整理いたしまして、たばこルールに関する御意見等を把握し、たばこマナーが向上するまちづくりに資するよう、今後も取り組んでまいります。

《質問&要望》
次回の5月のアンケートの結果次第では、区民満足度、その年度目標について達成できないのであれば、罰則つきの条例の検討をお願いしたいと思っておりますので、引き続き追及してまいります。

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《まとめ》
以前から取り組んでいる路上喫煙対策について、エビデンスに基づき詳しく追及いたしました。現在の「世田谷区たばこルール」は区民の意見があまり反映されていないルールであることが分かりました。ほとんどの区民が罰則付き条例を望んでいる中、喫煙者の意見を優先して反映しているように見えます。データのグラフも同じ条件ではない状態で提示しておりました。
今後、新たな定点指導という取り組みにてどこまで効果が出るか?そして、今もなお要望の多い罰則付き条例を再度検討出来るのか?
このままでは区が目標として掲げている区民満足度65%が未達成になるのではないか?
課題は多いですが、今後も区民の声を聞き、区民満足度の向上に向けて何が出来るか考えてまいりたいと思います。

  • 5. たばこマナー、このままでは区民満足度が上がるのか?データから読み解く!【企画総務領域:令和6年3月世田谷区議会第1回定例会予算特別委員会】