Action-2
2025.05.11
*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。
<質問全文>
最後に、認知症施策について伺います。
高齢化が進む我が区にとって、これは喫緊の課題です。特に認知症とともに生きる希望条例は、他自治体から視察に訪れた方々からも高く評価されており、認知症を希望という前向きな言葉で表現し、固定概念を変える斬新な条例として驚かれておりました。
この条例が制定されるに当たり、当事者の方々の意見を取り入れたことで、このようなポジティブな捉え方を言語化した条例ができたと伺いました。認知症は、しばしば恥ずかしい、何もできなくなるといったネガティブなイメージがつきまとい、多くの方が自分とは無関係と思いがちです。しかし、実際には誰にでも起こり得るものであり、加速する高齢化社会に向けてしっかりと取り組んでいく必要があります。
そこで、条例の実効性を高めるための取組について伺います。認知症とともに生きる希望条例や、区の認知症施策に関する周知啓発の強化策について、特に若年層への啓発や、認知症サポーターの活用などについての具体的な計画があればお聞かせください。
◎横尾 介護予防・地域支援課長 区では、第2期世田谷区認知症とともに生きる希望計画において、条例の考え方・理解を深める取組みを取組方針の一つに位置づけております。区では、現在、認知症在宅生活サポートセンターとともに、条例の基本理念や認知症の正しい知識、認知症の本人と地域の方々が共に活動するアクションや認知症カフェ等の情報について、周知啓発に取り組んでおります。
また、委員お話しの若年層に向けた取組といたしましては、子どもの頃から認知症の人の声を聞き、認知症について考える経験が重要であることから、令和5年度末にはアクション講座の小学生向けテキストを作成し、若い世代への周知啓発にも力を注いでいるところです。
アクション講座を受講した方々の地域での活躍や、2期計画に掲げたアクションチームの全地区展開も見据えながら、今後もより一層、区民の認知症への理解が深まるよう、関係機関と連携しながら、様々な機会を捉えて周知啓発を進めてまいります。
◆若林りさ 委員 認知症の方々の尊厳を守り、社会参加を促進する重要な取組を進めていくには、まずこの施策を行っていることを知っていただくことが重要だと思いますので、引き続き関係機関との連携を強化し、区民全体への認知症理解促進に向けた取組を強化していただきたいと思います。
次に、新たな認知症ケアの取組について伺います。
従来、認知症は専門家の間でも予防ができないとされ、徐々に症状が進行していく進行性の病気であるため完治が難しいと考えられてきました。しかし、近年様々な研究が進み、認知症ケアにおいて革新的アプローチが注目されています。
その一つがガンマ波を用いた音響療法、いわゆるガンマ波サウンドです。これは、落合陽一氏が代表取締役のピクシーダストテクノロジーズ株式会社と塩野義製薬が連携して開発されたもので、方法としては、四十ヘルツの振動音を音楽のように聞くことにより脳内のガンマ波を活性化させることで認知症の改善が図れるというものです。
こうしたガンマ波サウンドなど、新たなアプローチによる認知症ケアの拡充について、区の考えを伺います。特に、科学的根拠に基づいたケアの導入や、先進事例の研究などについての具体的な取組があればお聞かせください。
◎横尾 介護予防・地域支援課長 区では、第二期世田谷区認知症とともに生きる希望計画における取組として、専門職や医療機関と連携した認知症ケアの充実を進めることとしており、ケアマネジャーや介護事業所を対象に、認知症の本人を中心としたケアに資する研修や講演会を開催しております。
また、認知症と診断された後の支援の充実に向け、令和6年度より、認知症本人による体験談や身近な地域における仲間づくり、相談先の情報などを掲載した認知症あんしんガイドブックを区内の医療機関に配付しまして、その活用を依頼するなど、診断後早期に地域や地区のあんしんすこやかセンターにつながる体制づくりにも努めております。
区といたしましては、引き続き認知症の初期段階の方を伴走支援する認知症初期集中支援チーム事業などにも取り組むとともに、委員お話しの新しい事例等について調査研究を進め、認知症御本人の尊厳と権利を最大限に尊重した支援が行えるよう取り組んでまいります。
◆若林りさ 委員 せっかく認知症とともに生きる希望条例というものがあるのですから、ケアの部分も新しく希望のある施策を進めていただきたいと思います。引き続き、認知症への施策をアップデートしていただきたいと思います。
今回、障害者、高齢者、訪問介護、認知症対策など、多様な視点から福祉施策について質問させていただきましたが、今後も、誰一人取り残されない施策を実現するため、これらの分野を多角的に強化し、さらなる展開を図っていただきたいと思います。
以上で私からの質問を終わります。
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《まとめ》
区の認知症施策について伺いました。
世田谷区では、認知症を前向きに捉えた「認知症とともに生きる希望条例」が制定され、他自治体からも高い評価を受けています。この条例は、当事者の声を反映し、認知症への固定観念を変える新しい視点を示しています。
条例の実効性を高めるため、区は、認知症に関する正しい知識や地域での支援活動について、周知啓発を進めています。特に、若年層向けに小学生用テキストを作成し、子どもの頃から認知症について考える機会を広げる取組を行っています。
さらに、落合陽一氏が代表取締役のピクシーダストテクノロジーズ株式会社と塩野義製薬が連携して開発した「ガンマ波サウンド」などの新しい認知症ケアについて先進的な取組みとして提案致しました。区は調査研究を進め、初期段階から本人支援を充実させる体制整備に取り組むとの回答でした。
今後も、認知症施策を希望あるものとしてアップデートしながら、誰一人取り残されない福祉施策の推進を求めました。
7.「認知症施策について。落合陽一氏開発のガンマ派サウンドの新しいケアの提案!」【令和6年決算特別委員会】