Action-2
2025.05.11
*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。
<質問全文>
次に、高齢者見守り施策について伺います。
高齢者の孤立防止は地域包括ケアシステムの重要な柱の一つです。特に、高齢者のみ世帯やひとり暮らし高齢者の増加に伴い、見守りの重要性が高まっています。区で実施している高齢者見守り事業の種類や、これまでの経緯と地域や地区による実施状況、また、高齢者見守り協定の強化策についてもお聞きします。
特に、住民や事業者との連携、そして、高齢者自身が地域を支える側として活躍する取組など、新たな視点での取組があればお聞かせください。さらに、高齢者の見守り施策を進めていくためには地域のコミュニティーづくりの場の提供と相談窓口の周知が重要となってきますが、どのように地域や地区による見守り事業を行ってきたのか伺います。
◎佐藤 高齢福祉課長 区の高齢者人口は一貫して増加し続けており、現在、約19万人、総人口92万人のうち約2割を占めております。また、区内で高齢者がいる世帯のうち65歳以上の高齢者だけで暮らしている世帯は7割を超え、そのうち半数がひとり暮らしとなっております。区では、高齢者見守りの取組として、24時間365日の電話相談を行う高齢者安心コール、高齢者宅に民生委員が訪問する民生委員ふれあい訪問、あんしんすこやかセンターの見守りコーディネーターによるあんしん見守り事業、住民同士の声かけや見守り活動を推進する地区高齢者見守りネットワークの4つの事業を実施しております。
加えて、宅配事業者や生活関連等の事業者と高齢者見守り協定を締結し、事業者と協力して見守り活動を行うなど、高齢者が安心して地域で生活できるよう重層的なセーフティーネットを構築しております。
また、地区におきまして、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンター、社会福祉協議会、児童館の四者連携による取組が進む中で、見守られる側の高齢者が地域の子どもたちを見守ることで、地区での見守りの機運が高まったという事例がございました。こうした事例も参考に、高齢者が支えられる側だけでなく、地域を支える側としても活躍いただくなど、従来の高齢者観にとらわれることのない柔軟な発想を持って、地域における高齢者の見守り施策を進めてまいります。
◆若林りさ 委員 65歳以上の高齢者のみ世帯が7割に達しており、うち半数がひとり暮らしということで、今後も増加が見込まれる中で、見守りの必要性がますます重要になると感じています。そのため、さらなる見守りの強化をお願いしたいところです。
特に、高齢者が見守られる側だけでなく、地域の子どもたちを見守る側になるなど、地域を支える側としても活躍している事例はよい観点だと思いますので、今後もコミュニティー形成の場をもっと広げながら、そのような新たな取組が形になるよう要望いたします。
次に、訪問介護について伺います。
高齢者の在宅生活を支える上で、訪問介護は欠かせないサービスです。しかし、人材確保や事業所の経営難など、様々な課題に直面していると聞いています。
まず、居宅介護と訪問介護事業の現状と課題をお聞かせください。また、事業所の安定的な運営はサービスの質の維持向上に直結する重要な課題です。これらの課題を踏まえ、緊急安定経営事業者支援給付金の効果検証方法についてお聞かせください。特に、給付金が事業所の経営安定化にどの程度寄与したのか、具体的な指標や評価方法があれば教えてください。
◎谷澤 介護保険課長 令和6年度介護報酬改定によりまして、訪問介護は基本報酬が2から3%引き下げられました。また、令和5年度の有効求人倍率が訪問介護職は14.14倍と、訪問介護事業者の置かれている状況は厳しいものであると認識しております。
また、居宅介護支援事業所におきましても、国が本年7月に公表しました統計では、4月審査分の請求事業所数が6年連続で減少しており、将来のサービス提供が懸念される状況にございます。
区といたしましては、区民が住み慣れた地域で安心して介護サービスを利用できることは大変重要なことと考えております。こうした状況を踏まえまして実施する緊急安定経営事業者支援給付金事業では、本給付金の使途や効果等を把握するためにアンケート調査を行う予定です。具体的な調査内容や評価方法は検討中でございますが、今後の継続的な事業者支援に生かしてまいります。
◆若林りさ 委員 効果検証のためにアンケート調査を行うとのこと、ぜひその結果を基に事業者支援に役立てていただきたいと思います。特に事業者が直面している課題に対して具体的な支援策が講じられるよう、今後の対応を期待しております。
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《まとめ》
高齢者見守り施策について、世田谷区では、高齢者人口約19万人、65歳以上のみの世帯が7割を超え、見守りの重要性が高まっています。区は24時間相談や民生委員訪問、住民同士の見守り活動などを展開し、宅配業者とも協定を締結。高齢者が子どもたちを見守る活動も始まっており、高齢者が「支えられる側」だけでなく「支える側」としても活躍できる地域づくりで見守りの機運が高まっています。今後は、地域コミュニティづくりと相談窓口の充実を要望しました。
また、訪問介護は在宅生活に不可欠ですが、人材不足と経営難が深刻です。区は緊急支援給付金を実施し、効果検証のためアンケート調査を行う予定です。課題に応じた具体的な支援策の充実を求めました。
6.「高齢者見守り施策について、高齢者も活躍できる見守り施策で機運上々!訪問介護は課題に応じた具体的な支援策を!」【令和6年決算特別委員会】