My Assembly Work
2025.10.06
決算(福祉)
○若林りさ委員 日本維新の会の福祉保健領域の質疑を始めます。
ペット防災について伺います。
世田谷区は、昼間人口よりも夜間人口が多い、いわゆるベッドタウン型の自治体です。多くの区民が都心へ通勤通学しており、平日の日中は自宅を留守にしているケースが大半です。このような状況で災害が発生した場合、ペットが自宅に取り残され、飼い主が帰宅困難となって数日間戻れず、水や食料を失ったり、けがをしているおそれもあります。
こうした事態に備え、近隣住民や救助隊がペットの存在を把握し、迅速な救助につながる仕組みが必要です。その対策として有効なのがペットレスキューシールです。こういったシール状のもので、玄関やポスト等に貼ることで、この家にはペットがいますということを外部に知らせ、ペットの種類や数、かかりつけ医の情報なども記載でき、救助時の重要な手がかりとなります。実際、神奈川県秦野市では令和五年からペットレスキューステッカーの配布を開始しており、関心を集めています。また、日頃から近隣住民がそのシールを見ることで、災害時の相互支援体制づくりにもつながる効果も期待できます。
この活用について、区はどのように考えているか伺います。
○中塩屋生活保健課長 飼い主は、不在時にペットが被災した場合に備え、家族、近隣住民等による自助、共助を準備することが必要です。近隣住民の方等にペットの保護を依頼するペットレスキューシールを掲げることには、個人情報の取扱いや双方の同意、責任等の課題もございます。
区は、ホームページ、イベント等でペットの被災対策について発信し、せたがや動物とともにいきるまちづくり補助金の活用団体は、ペット防災の講演等を行っており、これらの中で、自助、共助の推進の啓発に努めてまいります。
○若林りさ委員 個人情報への懸念がありましたが、都の条例には、犬の飼養を示す標識の掲示をするよう定められています。個人情報に配慮した上で、区としても周知等の取組を進めていただきたいと考えます。また、こちらペットレスキューカードというものもございます。これは飼育情報などを記載し、緊急時に情報をお知らせできるカード状のものですが、こちらも併せて検討を要望いたします。
次に、ペット防災で重要なのが避難所での対応です。区では、ペット同行避難を推奨していますが、避難所ごとに受入れ体制や運用ルールの統一が十分とは言えません。令和二年に避難所運営ゲームHUGの世田谷版を作成し、ペット同行避難者を想定したカードも含まれていると承知しています。こうした実践的ツールを活用した訓練は、避難所運営の質を高める上で有効です。実際、横浜市では横浜市版ペットHUGを作成して訓練に導入し、松山市でもペット版避難所HUGを活用した訓練が実施されています。
ペット同行避難所の運営ルール統一に向け、世田谷版HUGやペット版HUGの活用状況と、他自治体の事例を踏まえた今後の展開について、区の見解を伺います。
○中塩屋生活保健課長 避難所運営ゲーム、通称HUGは、平成十九年に静岡県が開発した防災ゲームです。区の防災担当所管が、静岡県の許諾を得て、世田谷区で災害時に起こりそうな状況を追加し、多様性の視点で配慮や工夫が必要になることを考えるためのゲームとして、令和二年に世田谷版HUGを作成しました。百七十五枚のカードのうち、ペットを連れた避難者についての内容は八枚あり、ペットの種類もドーベルマン、マルチーズ、しば犬、猫、ハムスターなど多岐にわたっております。
令和六年度避難所運営委員を対象とした訓練や、総合支所やまちづくりセンターの職員を対象に実施されたペット防災に関する研修会でも、HUGの体験が行われたと承知しております。今後も保健所と総合支所や、まちづくりセンターとの情報共有に努めてまいります。
○若林りさ委員 世田谷版HUGのペットに関するカードは八枚程度とのことですので、より実践的な対応力を高めるためにも、ペット同行避難に特化したペット版HUGの導入を要望いたします。また、職員研修にとどまらず、避難所運営委員や地域住民を交えた訓練の実施が必要です。さらに、災害時避難所を開設する職員や運営委員が混乱の中でも適切に対応できるよう、必要な物品や手順を事前に整備していくことが重要です。
パネルを御覧ください。こちらは他自治体の例ですが、このようにペット同行避難に対応した避難所開設キットやペットスターターキットを全避難所に設置している例もあります。有効な取組と考えますが、世田谷区での設置状況について伺います。
○中塩屋生活保健課長 ペットの同行避難について、指定避難所におけるペットの受入れ、運営管理方法及び飼育場所の確保は、避難所ごとに実情が異なることから、各避難所の運営委員会で協議、決定をしております。環境省の人とペットの災害対策ガイドラインによると、災害発生時に避難所に居合わせた人や、最初に到着した人が速やかな体制を整えられるよう、避難所の実情に即した初期対応の手順内容が記載された指示書や物資等を一まとめにしたものを、スターターキットと言います。区内九十六か所の避難所のうち、ペット同行避難用のスターターキットを設置している避難所は三か所になります。
○若林りさ委員 ペット同行避難用のスターターキットが設置されているのは僅か三か所、全体の約三%にすぎず、この現状を踏まえ、今後どのように拡充、充実を図っていくのか、区の見解を伺います。また、このスターターキットには具体的にどのような内容が含まれるのか伺います。あわせて、避難所運営を円滑に行うためには、ペット同行避難所の開設マニュアルの整備も欠かせませんが、現在整備されている避難所はどの程度あるのか伺います。
○中塩屋生活保健課長 スターターキットは各避難所の実情に合わせて用意をするものですが、主に対応の手順をまとめた指示書、避難所内の掲示物、避難所の受付時に使用する動物受入れカード、飼い主向けの飼育ルール等がございます。また、物資としては、ブルーシート、ごみ袋、テープ、文房具等がございます。今後、保健所ではスターターキットの見本を用意し、スターターキットが未設置の避難所に対して、設置に向けた検討を働きかけてまいります。
また、区内の九十六か所の避難所のうち、避難所におけるペット同行避難に関するマニュアルを整備している避難所は十三か所となります。関係所管と連携し、個々の避難所の状況を踏まえたマニュアルの充実を働きかけてまいります。
○若林りさ委員 保健所でスターターキットを見本づくりにとどまらず、実際に避難所で活用されるよう、設置支援と運用体制の整備を進めていただきたいと思います。また、マニュアルを整備している避難所もまだ少なく、十分とは言えません。スターターキットとマニュアルの整備については、啓発にとどめず、実効性ある体制づくりを早急に進めていただきたく要望いたしまして、私からの質疑を終わります。
===========
《まとめ》
災害時の「ペット防災」について、世田谷区の備えの現状と課題を確認しました。世田谷区は平日日中に自宅が留守になりやすく、災害時にペットが取り残されるリスクが高い地域です。私は、救助の手がかりとなるペットレスキューシールやカードの活用を提案しましたが、区は個人情報や責任の課題を理由に、現時点では普及啓発にとどめる姿勢を示しました。
また、ペット同行避難については、避難所ごとに運営ルールが異なり、統一が十分でない点を指摘しました。区は世田谷版HUG(避難所運営ゲーム)で一定の訓練を行っているものの、ペット関連カードは8枚程度に限られています。私は、より実践的なペット版HUGの導入や、地域住民を含めた訓練の必要性を訴えました。
さらに、避難所開設時に必要な「ペット同行避難用スターターキット」は、96か所中わずか3か所、マニュアル整備も13か所にとどまっています。区は今後、見本作成や働きかけを進めると答えましたが、私は実際に使える体制づくりを早急に進めるよう強く求めました。
4. ペット防災の実効性強化に向けて。ペットレスキューシール、ペット版HUG、ペット同行避難用スターターキットの拡充を!【令和7年決算特別委員会】