My Assembly Work
2025.06.05
*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。
<質問全文>
最後に、災害時におけるペット同行避難の実効性向上について伺います。
世田谷区では、今年、ペット防災リーフレットをペットのための防災対策として全面リニューアルし、区民のみならず、他自治体からも好評の声をいただいています。災害は突然発生するものであり、日頃からの訓練なくして適切な対応は困難です。特にペット同行避難は、動物の扱いに不慣れな避難者との共存など特有の課題があります。
そこで、ペット同行避難の実地訓練を年一回、公募型で実施し、地域防災訓練と連動させることを提案します。また、区内に最低一か所、災害時ペット同行専用避難所のモデルを開設し、運用ルールの統一化を図るべきと考えますが、区の見解を伺います。
最後に、現在の仕組みの課題について指摘したいと思います。災害発生時に飼い主の会を新たに設立する仕組みとなっていますが、被災の混乱の中では現実的とは言えません。だからこそ、平時からの備えと体制づくりが重要です。そのためには、事前登録制度を整備し、平常時から地域の飼い主グループを構築することで、災害対応力を向上させるべきと考えます。
さらに、事前の備えを促進するための具体的なツールとして、ペット防災手帳の導入を提案いたします。現在区では愛犬手帳が存在していますが、猫をはじめとするその他のペットに対応した手帳はありません。防災の観点からも、ペットの基本情報やワクチン歴、避難時の持ち物チェックリストなどを記録できる手帳を飼い主が日常的に備えておくことは非常に有効です。こうしたペット防災手帳の導入について、区としての見解を伺い、壇上からの質問を終わります。
→《区の答弁》
○向山世田谷保健所長 私からは、一連のペット防災に関連してのお尋ねにお答え申し上げます。
事前登録制度は、避難所運営委員会での個人情報の管理に関する課題の整理等が必要であるため、区は同行避難時においては登録カードへの記入が必要なことや、飼い主グループによる共同飼育の必要性等の周知を進めております。また、他の自治体におきまして、用意すべき物品のリストやペットのプロフィールを記載する欄を掲載したペット向け防災手帳を作成して、飼い主の方に日頃からの備えと災害時の自助を促していることは承知しております。区は、これらを参考にして、ペット向け防災手帳の作成を含め、実効あるペット防災の在り方等について検討を進めてまいります。
私からは以上です。
○三浦世田谷総合支所長 私からは、ペット防災体制の整備と同行避難の実効性向上について御答弁申し上げます。
令和6年度にペット同行避難を想定した訓練を実施した避難所は11か所あり、ペットの受入れ場所の設営や滞在スペースの確保等を行っております。また、各地域ごとに獣医師会との連携による区職員向けの研修の実施に加え、上町地区ではペット防災に関する勉強会を2回実施するなど、地区住民に対する啓発にも取り組んでおります。
今後も、関係所管と連携しながら、避難所運営組織や地区住民の方々への理解促進と、ペット同行避難訓練の拡大を図り、各避難所に応じたペット同行避難の体制を整備してまいります。
以上です。
===========
《まとめ》
災害時にペットと共に避難する「ペット同行避難」について、その実効性を高める必要性を訴えました。避難所では動物に慣れていない方との共存など特有の課題があり、日頃からの備えが不可欠です。そのため、①公募型の実地訓練を地域防災訓練と連動して年1回実施すること、②区内に少なくとも1か所ペット専用避難所のモデルを設けることを提案しました。
また、災害時に「飼い主の会」を新設する仕組みは現実的ではないと指摘し、平時からの事前登録制度や飼い主グループづくりの必要性を訴えました。さらに、犬だけでなく猫など他のペットにも対応した「ペット防災手帳」を導入し、基本情報やワクチン歴、避難用品チェックリストを記録できるようにすることを提案しました。
区は答弁で、個人情報管理の課題を踏まえつつ、同行避難時には登録カードの活用や共同飼育の必要性を周知していると説明。令和6年度には11か所の避難所でペット同行避難訓練を実施し、獣医師会との連携による職員研修や地域勉強会も行っていると報告しました。そして、他自治体の事例も参考にしながら、ペット防災手帳の作成を含め、実効性あるペット防災の在り方を検討すると前向きな答弁がありました。
私はこの答弁を評価し、今後も実効性のあるペット防災体制の整備に向けて、積極的に取り組んでまいります。
3. 「災害時におけるペット同行避難の実効性向上について」【令和7年第2回定例会一般質問】