Action-2
2025.05.05
*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。
<質問全文>
最後に、動物、ペットに関する施策について伺います。
近年の記録的な猛暑を考慮すると、ペットの熱中症対策は喫緊の課題となっています。世界動物保護協会、WAPが発表した世界動物保護指数の高い欧米諸国であるアメリカやスウェーデンでは外飼いに関する法律があり、具体的な数値基準を設けています。例えば連続してつなぐことが許可される時間や時間帯、気温、犬のサイズに応じた敷地面積や縄の長さなどが定められています。これらの基準はペットの福祉を考慮した上で策定されており、夏季の熱中症対策にも有効だと考えられるため、以下の提案をさせていただきます。
まず、外飼いを控える、あるいは注意喚起をする方向での啓発活動の実施です。同時に、欧米の事例を参考に、外飼いに関する具体的な数値基準、例えば夏季における外飼いの時間制限などを設定し、それに基づいた指導を行うことも効果的ではないかと考え、注意喚起に関する周知啓発について見解を伺います。
次に、ペットの防災対策について伺います。
災害時、飼い主とペットが安全に避難できるかどうかは日頃からのしつけによって大きく左右されるため、飼い主が取り組むべき大切なことだと獣医師の方に伺いました。基本的なしつけに加えて、ケージに慣れさせるクレートトレーニングなど、区からも防災の観点から犬のしつけ教室を充実させることが重要だと考えます。
現在の犬のしつけ教室の実施状況と今後の計画について伺うとともに、さらなる充実策として、避難訓練を組み合わせた防災ドッグトレーニングプログラムの導入についても区の考えを伺いまして、壇上からの質問を終わります。
→《区の答弁》
◎清水 世田谷保健所副所長 私からは、動物、ペットに関する施策について2点御答弁いたします。
初めに、熱中症対策についてです。
犬は汗をかいて体温調整ができないことや、地面に近い位置にいるため照り返しの影響を強く受けることなどから、炎天下での犬の飼育は避けて涼しいところで飼うなど、飼い主による犬の熱中症対策は必要です。
区は飼い主に向けて、近年の連日猛暑が続く状況を踏まえた啓発チラシを作成し、イベントでの配布やパネル展示をするなど注意喚起に努めております。公益財団法人日本動物愛護協会はペットの熱中症対策やチェックリストを作成しており、区はこれらを参考に今後もさらなる飼い主への注意喚起に努めてまいります。
次に、犬のしつけ教室の充実について、また、防災ドッグトレーニングについてです。
区は現在、犬のしつけ方教室と飼い主が単独で参加できる入門講座をそれぞれ年1回開催し、しつけ方教室については世田谷区公式ユーチューブにて動画を公開しています。また、本年10月より区へ寄せられたふるさと納税を活用し、犬のしつけ方やペット防災をはじめとした講習会、学習会等を実施する団体に補助を行うせたがや動物とともにいきるまちづくり補助金の取組を開始し、さらなる充実に努めてまいります。防災ドッグトレーニングについても当該補助金の趣旨に沿うものと考えられ、検討をしてまいります。
私からは以上です。
《再質問》
ペットの熱中症対策について再質問いたします。
外飼いに関して、区はイベントで啓発チラシの配布やパネルなどを行っているとのことでしたが、それだけでは情報が飼い主に十分に届いていないと考えています。例えば年に一回必ず届く狂犬病定期予防接種の案内の中に啓発を含めるなどの方法が考えられますが、その点、具体的な案はありますでしょうか、伺います。
◎清水 世田谷保健所副所長 再質問にお答えをいたします。
今、議員御提案の飼い主に直接情報が届く狂犬病定期予防注射の通知に同封しての周知や、あるいは、さらに区ホームページ、イベントなどで効果的な周知について検討してまいりたいと考えております。
以上です。
前向きな答弁だと受け取ります。引き続き決算特別委員会でも伺ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上となります。
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《まとめ》
世界では犬の外飼いに関する法律があり、繋ぐ時間や縄の長さ、時間帯、気温、面積など、動物福祉として具体的な数値基準を設けています。日本がまだ追いついていない部分の法律だと思っており、国からの法改正を強く求めております。
区民相談でも、夏の猛暑に犬が野外に繋がれたままで、直射日光が当たっていて水も飲めない状態にあるのを幾度と見る。なんとかできないかと相談を受けておりました。人の熱中症対策と共に、ペットの熱中症対策も進めていく必要があると感じています。区から適切な指導を周知啓発ができないか提案致しました。
また、ペット防災に関してですが、有事の際、普段からのしつけができているかどうかが、ペットと飼い主の安全を守る上で大きく左右されます。犬のしつけ教室を防災の観点からも取り入れ、ケージに慣れさせるクレートトレーニングなど、区からも防災の観点から犬のしつけ教室を充実させることが重要だと考え防災ドッグトレーニングの提案を致しました。
いずれも前向きな答弁を頂けたと思いますので、今後の改善に期待をいたします。
<実現予定!>→今年の狂犬病予防接種のお知らせに熱中症対策の周知啓発が載ります!
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