日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
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議会質問

2025.11.27

2.「妊産婦支援と産後ケアの充実について」【令和7年第4回定例会一般質問】

【令和7年11月第4回定例会一般質問】

.「妊産婦支援と産後ケアの充実について」(質問数4)

*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。

<質問全文>

次に、妊産婦支援と産後ケアの充実について伺います。
先般、区内で三か月の乳児が母親により殺害されるという痛ましい事件があり、妊産婦のメンタルヘルス支援の重要性を改めて突きつけられました。
厚生労働省によると、医療的介入が必要な産後鬱の発症率は約一〇%とされ、産後の心身不安定の段階を含めれば、より多くの母親が支援を必要とします。さらに、産後鬱は自殺や乳児虐待につながり得る深刻な危険要因であり、日本産婦人科医会によると、二〇二〇年以降、妊産婦の死因の最多が自殺となる傾向が続いています。早期の発見と支援は、母子双方の命を守る上で極めて重要です。
世田谷区では、産後ケア事業や各種相談支援を実施していますが、これらの支援が本当に必要な人に届いているのか、利用実態の検証が欠かせません。
この点で注目すべき取組として、産婦健康診査があります。この事業は、産後二週間と一か月の時点で健康診査を実施するもので、現在、多くの産婦人科で行われていますが、都内自治体での導入はあまり進んでいません。
本区では現在、乳児期家庭訪問、いわゆる赤ちゃん訪問を実施していますが、これは産後おおむね一か月から三か月の間の訪問となっています。産婦健康診査を導入すれば、より早期の段階で母親の心身の状態を把握することができます。産後鬱は産後二週間から一か月の時期に発症することも多く、この時期に専門的なチェックを受けることで、重症化する前に適切な支援につなげることが可能となります。
そこで伺います。現在の妊産婦支援、特にメンタルヘルスケアにおける課題を区としてどのように認識しているでしょうか。また、産後ケア事業や相談支援の利用率について、支援を必要とする人に確実に届いているのか、実態把握の状況をお聞かせください。さらに、より早期に妊産婦の状況を把握し、必要な支援につなげるため、産婦健康診査の導入を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。
早期発見、早期支援の体制整備と並行して、継続的なケアの充実も急務です。区の産後ケア事業は三つの形態で提供され、その中で、アウトリーチ型は出産後一年未満を対象としている一方、ショートステイ型とデイケア型は四か月未満に限られており、対象期間に大きな差があります。
産後の心身の不調は四か月で収まるものではなく、むしろ疲労や孤独感の蓄積により四か月以降に深刻化する例もあります。特に初めての育児や周囲のサポートが得られにくい環境にある方にとって、四か月以降にケアが受けられないことが支援の空白につながりかねません。
ショートステイ、デイケアの利用対象期間が四か月未満に設定されている現状について、延長を検討すべきと考えますが、区の見解を伺います。

→《区の答弁》

◎向山 世田谷保健所長 私からは、保健所所管のお尋ねにつきまして順次お答えを申し上げます。
まず、妊産婦のメンタルヘルス支援と併せて産婦健康診査の導入についての見解でございます。
女性ホルモンの急激な変化が一因となり起こり得る産後鬱病は、早期の診断と治療、周囲の支援が必要な産後の代表的な精神疾患の一つです。加えて、鬱病以外にも、妊娠前の精神状態が妊娠中や出産後に増悪、再燃することもあるため、妊娠早期からの切れ目のないメンタルヘルスケアが重要と認識しております。
そのため、区では、妊娠期面接で既往歴や妊娠についての気持ち、周囲の相談者の有無等について広く聞き取りをしています。また、産後鬱病は産後三か月以内の発症が多いことから、産後二か月頃に実施する乳児期家庭訪問で、子どもの健康状態に加えて、エジンバラ産後うつ病質問票をツールとして用い、産婦の精神状態を確認し、必要な支援を行っております。
妊娠期面接や乳児期家庭訪問はどちらも一〇〇%に近い実施率で妊産婦のメンタル不調の早期発見と支援を行っていますが、区としても、より早い段階での状況把握が必要だと感じているため、議員お話しの産婦健康診査を導入し、医療機関と連携した早期からの支援についても検討を進めており、今後一層の妊産婦のメンタルヘルスケアの強化に努めてまいりたいと考えております。

◎松本 子ども・若者部長 私からは、産後ケア事業について二点御答弁いたします。
初めに、産後ケア事業の利用状況についてです。
産後ケア事業の利用状況については、昨年度、産後ケア事業推進方針を策定する際に分析しており、対象となる方のうち、特に支援を必要とする方、産後ケアを初めて利用する方に限ると、九割程度は利用できております。一方で、再利用の方を含めますと四割以下となっております。
この状況を踏まえ、令和十一年度までには需要量を上回る確保量を目指し、順次利用枠を拡充しており、本年十月には久我山病院への新規委託を開始したところです。
引き続き、区民の方の利用希望に応えるべく、利用枠の拡充に取り組んでまいります。
次に、ショートステイやデイケアの利用対象期間の延長についてです。
産後ケア事業は、出産後の母子の心身の安定を図るために重要な支援であるとともに、事業の安全性を最優先する必要があることから、乳児の寝返りリスクや施設側体制等を考慮し、ショートステイとデイケアについては、対象月齢を特にケアが必要な四か月または三か月としているところでございます。
しかしながら、月齢が四か月以降であっても母子の心身不調への支援は重要であるため、出産後一年未満まで利用できるアウトリーチ型での産後ケア事業利用のほか、地域の保健師による相談支援や子育て支援事業など他の制度と連携しながら、継続的なサポートを行い、子育て家庭が地域で支えられ、安心して生活できるよう取り組んでまいります。
以上です。

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《まとめ》

区内で生後3か月の乳児が亡くなる痛ましい事件が発生し、妊産婦のメンタルヘルス支援の重要性が改めて問われています。私は、産後うつが自殺や児童虐待につながる深刻な課題であることを踏まえ、支援が本当に必要な方に届いているのか実態把握の強化と、より早期の支援体制の構築を求めました。特に、産後2週間・1か月で状態を把握できる「産婦健康診査」の導入や、産後4か月未満に限定されているショートステイ・デイケアの対象期間の延長について提案しました。

これに対し区は、妊娠期面接や乳児期家庭訪問をほぼ100%実施し、産後うつの早期発見に努めていると答弁しました。また、より早期の把握の必要性は認識しており、産婦健康診査については医療機関と連携しながら導入を検討していくとしています。

一方、産後ケア事業は、特に支援が必要な方の利用は約9割に達するものの、全体では4割以下にとどまっている状況が示されました。対象期間の延長は、現時点では難しいとしつつ、訪問型支援や相談事業と組み合わせ、継続的な支援を行う方針が示されました。

  • 世田谷区議会議員 若林りさ|妊産婦支援と産後ケアの充実について【一般質問/2025年11月】