日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
未来は、変えられる。

応援する

Follow us

My Assembly Work

議会質問

2025.03.06

1.「防災対策について」燃料が劣化して動かない!?災害時の命を守る非常用電源の管理体制を見直せ!【令和7年予算特別委員会】

【令和7年3月第1回定例会 予算特別委員会】総括質疑

1.「防災対策について」(質問数2+要望2)【総括】

 *全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。

<質問全文>

○若林りさ委員 日本維新の会の総括質疑を始めます。
まず、防災対策について伺います。
非常用発電機の燃料は、長期保管により劣化する可能性があります。燃料が劣化していれば、いざというときに発電機が正常に作動せず、災害対応に支障を来すおそれがあります。現在、区では新庁舎の非常用発電機の燃料の品質管理について、点検頻度や入替え基準などをどのように定め、実施しているのでしょうか。

○佐藤庁舎整備担当部長 新庁舎では、発災時に停電が発生した場合においても、発災直後から災害対策機能が確立できるよう、非常用発電機を東西棟にそれぞれ配備しています。
その非常用発電機の燃料については、国土交通省の防災拠点等となる建築物に係る機能継続ガイドラインで推奨する7日間程度の発電を可能とする分量として、東西敷地の地下に埋設したオイルタンクに12万リットルずつ備蓄しています。
非常用発電機については、年に27回ほど、消防法、建築基準法、電気事業法といった法定点検と、メーカーによる定期点検、さらに庁舎の総合管理委託事業者による自主点検の際に、各二十分程度試運転を行っております。その際に、燃料については、白煙、黒煙の有無、フィルターの汚れなど、燃料劣化特有の症状の有無を点検し、品質の確認をしております。

○若林りさ委員
年間の点検回数や試運転時間、点検内容についての説明がありましたが、その頻度や方法が燃料の品質維持において十分なのかが明確ではありません。また、燃料の使用期限について触れられていませんので伺います。
こちらの資料を御覧ください。こちらは経済産業省の依頼を受け、石油連盟が実施した劣化試験に基づく備蓄燃料の使用推奨期間を示したものです。災害などに備えて燃料を備蓄する方へとの通達があり、備蓄用燃料であっても、A重油は3か月、軽油は6か月が目安期間とされています。区としてはどちらの種類の石油を備蓄しているのか、また、備蓄燃料の品質劣化についてどのような認識であるか伺います。

○佐藤庁舎整備担当部長 お話しの使用推奨期間は、日本の石油販売会社十社による団体、石油連盟が、燃料の品質変化による機器の不具合を避けるために、保存開始から3か月を目安として使用してくださいと推奨する期間でございまして、区としても認識しております。
本庁舎にて備蓄する燃料はA重油というものでして、仮にこれを3か月に1回入れ替える場合、1リットル当たり100円としても年間1億円近い経費を要し、現実的ではないと考えております。
区としましては、これまでの点検確認を継続しながら、より直接的な燃料品質の確認手法や、燃料劣化時の対策等、他自治体の動向も注視しながら研究し、本庁舎の災害対策本部機能の発揮に備えてまいります。

○若林りさ委員 全ての備蓄燃料を入れ替えるとなると、コスト面で課題があるとは思いますが、石油はほかの用途で再利用も可能ですし、業者による買取りなど様々な選択肢を検討できると思います。最も避けるべきことは、古くなった燃料をそのまま放置し、いざという非常時にトラブルが発生することや、劣化が進み過ぎて買取りすら難しくなるという事態です。
東日本大震災の際、非常用発電機の不始動・停止の原因の63.5%が点検不足によるものであり、その中には、劣化した燃料の使用によるトラブルも含まれているとのことです。
燃料の劣化は、発電機の稼働に直接影響を及ぼすため、より専門的なチェック方法の導入や、新たな管理手法の検討をぜひ進めていただきたいと要望いたします。
また、災害時の燃料不足も大きな課題でありますが、特に避難所や病院では、過去には電力不足によって、助かる命が助からなかった事例も報告されています。
本庁舎だけでなく、各支所や区内の公共施設、災害拠点病院など、非常用発電機を備える施設全体の燃料管理と備蓄燃料の劣化状況について調査すべきではないかと考えます。実態を把握し、燃料管理体制を整備することが非常時の電力確保につながるため、引き続き体制強化をお願いいたします。

===========

《まとめ》

災害時の電力確保に欠かせない「非常用発電機」の燃料管理について質問しました。新庁舎では大量のA重油を備蓄し、年27回の点検で燃料状態も確認していますが、国のガイドラインではA重油の使用目安は3か月。入替えには高額な費用がかかるため、区では現実的な対応として点検での確認にとどめています。
しかし、東日本大震災では発電機の不具合の多くが点検不足によるものであり、再利用や買取りなどの選択肢を含め、より実効性のある管理方法の検討を提案。新庁舎だけでなく、避難所や病院など区内全体での燃料管理体制の見直しを求めました。

  • 1.「防災対策について」燃料が劣化して動かない!?災害時の命を守る非常用電源の管理体制を見直せ!【令和7年予算特別委員会】