Action-2
2024.09.07
次のテーマとして、障害者理解への施策について伺います。
2021年6月に障害者差別解消法の改正が行われ、本年4月1日より施行されました。これまで努力義務とされていた事項の多くが義務化されるなど、障がい者の権利擁護に向けた取組がさらに強化されました。この法改正、施行を受けて、区ではどのような施策を行っているか伺います。その上で、障がい者差別の解消を実現するためには、物理的なバリアフリー化だけでなく、心のバリアフリー化も同時に進めていく必要があります。障害の有無にかかわらず、お互いを尊重し、支えあえる社会を築くためには、一人一人の意識の変革が不可欠ではないでしょうか。区として、心のバリアフリーに取り組む施策を重点的に進めていくことが、真の意味での障がい者差別の解消につながると考えますが、区の見解を伺います。
また、区が障がい者理解に向けて講じている取組が、身近に障がい者などがいない人々に十分に届いていないのではないかという課題認識があると考えられます。障がい者理解を深めるためには、これまで情報が届きにくかった層や、直接関わる機会が少ない人々に対して、いかに関心を持ってもらい、効果的にアプローチし、理解を深めてもらうかが重要な鍵となります。そのためには、従来の方法にとらわれない新しい発想に基づく取組も検討するべきではないでしょうか、伺います。
例えば近年注目されてきている福祉とアートを組み合わせた障がい者アートに取り組むスタートアップ企業の新事業など、より多くの人々の興味を引きつける工夫を凝らすことで、これまで届いていなかった層にも障がい者理解の場を広げていくことができるのではないかと考えますが、区の見解を伺います。
○杉中障害福祉部長
私からは、障害理解の促進について2点お答えいたします。
まず、心のバリアフリーを推進する取組についてです。
区は、令和4年度に、世田谷区障害理解の促進と地域共生社会の実現をめざす条例を制定し、これまで実施していた区民ふれあいフェスタの開催や、障害者アート展の支援に加えて、商店や事業所へのスロープや点字メニュー等の物品購入助成、合理的配慮等を解説したパンフレットの小学校への配布も始めました。
一方、障害への無関心や思い込みなどの心のバリアを取り除くために、多様な障害に対する理解をさらに広め、地域における相互理解を深める必要があることから、今後、心のバリアフリーの推進に向けて、スポーツ推進部や教育委員会等の関係所管とも連携して、様々な角度からの障害理解の足心に取り組んでまいります。
次に、身近に障害者がいない方などへの新しいアプローチについてです。障害者が身近にいない方にとって、日常の暮らしの中で、障害理解や多様性を意識する場面はあまり多くないことから、そのような方々が、障害について関心を持ち、気づきを促すような取組が必要であると考えています。民間事業者の中には、障害理解の研修プログラム開発や、障害者のアート作品の商品化を通じて、障害者支援や障害理解に取り組む企業も出てきています。区としては、今後そのような民間事業者からの御提案もいただきながら、障害理解の促進に向けてより多くの方に気づきを促すための具体的な取組について検討してまいります。
以上です。
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《まとめ》
(2021年6月に改正された障害者差別解消法が、今年4月1日に施行されました。)物理的なバリアフリー化だけでなく、心のバリアフリー化を行なってほしいと関係者の方々からお声を頂いたことで、この点を重視して進めることで真の障害者差別解消に繋がると考えています。
法改正を受け、区は物理的なバリアフリー化に加え、スポーツ推進部や教育委員会等の関係所管と連携し、様々な角度からの障害理解に取り組んでいくことが分かりました。
また、障がい者と接点の少ない人々には障がい者理解が十分に届いていないという課題があり、理解促進には新たな発想でのアプローチが必要と考えました。例えば、障がい者アートに取り組むスタートアップ企業の事業など、新しい発想を活かして関心を引く工夫が有効だと考えまして提案致しました。今後の区の取り組みに期待します!
「3.障がい者理解への施策について」心のバリアフリー化を推進せよ!福祉とアートを組み合わせた障がい者アートなど新しい試みも提案!若林りさ一般質問【世田谷区議会 令和6年6月第2回定例会】