日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
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議会質問

2024.09.06

「2.動物政策について」災害時のペット用品の備蓄はどうなる?アライグマ・ハクビシン対策について殺処分ではなく予防対策を!【令和6年第2回定例会】

【令和6年6月第2回定例会 一般質問】

2.動物政策について(質問数5+再質問1)

次に、動物政策について伺います。
昨年、災害時におけるペット用品の備蓄を世田谷区が行っているかどうか質問させていただいた際、区では、ペット用の防災備蓄は行っていないとの答弁をいただきました。しかしながら、東日本大震災や今回の能登半島地震では、ペットを連れての避難が困難なケースが多く見られ、飼い主とペットが離れ離れになるなどの問題が浮き彫りになり、ペットと暮らす多くの区民にとって災害時のペット防災は喫緊の課題だと考えます。
そして、世田谷区民の多くは日中、都心部で働いており、日中に大規模災害が発生した場合、ペットの安全確保は飼い主不在の中で行わなければなりません。区としてはこうした状況を踏まえ、日中に家にペットしかいない場合のペット避難をどのようにするか、近隣住民の協力の下、進めるとともに、ペット用の備蓄品を確保する必要があるのではないでしょうか。
そこで伺います。日中に大規模災害が起きた場合のペット避難と備蓄の想定をしているか伺います。その上で、災害時のペット用品の備蓄の状況について改めて伺います。能登半島地震でも問題になりましたが、備蓄を進める予定はないか、見解を伺います。
次に、区内でのアライグマ、ハクビシン対策について伺います。SNSなどでも、下北沢の町なかにアライグマがいる動画が拡散され、テレビでも取り上げられるなど、区民の関心も高まっています。アライグマやハクビシンは外来生物であり、生態系への影響や家屋侵入などの問題を引き起こします。区内における被害の実態を把握し、適切な対策を講じることが重要であると考え、まず区内でのアライグマ、ハクビシンの捕獲数の近年の経緯について伺います。
その上で対策についてですが、現在、わな設置、捕獲、駆除に係る費用は区が負担しているとのことですが、消毒や穴塞ぎ等の作業費用は自己負担となっています。こうした費用負担が区民の適切な対策実施の妨げとならないよう、区独自の補助金を出す予定はあるのでしょうか。また、区民が自主的に行う対策工事に対する補助金の創設や、生息状況の調査と分析など駆除以外での方法で被害を防ぐ施策を充実させることも必要と考えますが、見解を伺います。
この対策において、まず第一に重要なのが、区民への情報提供や周知広報です。捕獲した場合は、間違いなく殺処分をされてしまうのが現状です。動物福祉の観点からも、殺処分に頼らず、被害が発生する前に予防対策をすることは可能です。餌となる生ごみの適切な管理、屋根裏や床下の侵入防止措置、物置や庭木の点検など、区民が実践できる対策の情報を分かりやすく、かつ、より効果的に区民の皆様にお伝えすることが区政の責務ではないでしょうか。
そこで伺います。次期パンフレット改正を持たず、先行してホームページやチラシ、ポスター等を活用した周知啓発を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。

○清水世田谷保健所副所長
私からは、2点について御答弁いたします。
初めに、大規模災害が起きた場合のペット避難です。
区は、大規模地震が発生した際の避難方法として在宅避難を推奨していますが、罹災状況から、やむを得ずペットを連れて避難所に避難する場合に備えて、災害時等によるペット同行避難のルールを定め、区ホームページやチラシにより周知を行っています。また、各避難所運営委員会では、個々の避難所の状況に合わせ、ペットの受入れについて専用スペースの確保や課題の検討などを進めております。
なお、ペットだけが自宅にいる場合も想定され、環境省のガイドラインにも記載されているように、御家族、御近所で対応を話し合っていただくなど、自助、共助が重要であると認識をしております。
次に、備蓄についてです。
ペットの餌やケージなどは、まずは自助としてふだんから備えていただき、同行避難の際には飼い主に御持参いただきます。また、危機管理部においては現在準備中の世田谷防災ギフトのカタログにおいて、ペットフードやペットシーツをメニューに加え、飼い主に向けた意識啓発の検討を進めています。
東京都動物愛護相談センターは、災害時における動物愛護対応マニュアルに基づき、保護収容数の5日分程度の餌の備蓄を行っており、さらには各自治体の申請をまとめ、ペットフード協会等により構成されるペット災害支援協議会の支援を受けることとしており、区は的確に状況把握の上、これらの対策を活用してまいります。
私からは以上です。

○中西環境政策部長 私からは、アライグマ、ハクビシン対策について3点お答えいたします。
まず、アライグマ、ハクビシンの捕獲の経緯についてお答えいたします。
アライグマ、ハクビシンですけれども、繁殖力が非常に強く、近年、都内でもよく目撃されるようになっておりますが、東京都では平成25年からアライグマ・ハクビシン防除実施計画を策定いたしまして、防除に乗り出しております。各区市にも協力を求めておりまして、世田谷区は平成26年より都の計画に同意し、防御事業を実施しております。
この都の計画ですけれども、被害が生じた際に許可に基づいて駆除を行う、いわゆる対処駆除を行うものでありまして、現時点では生息数を低下させるために、あらかじめ頭数目標を定めて計画的に駆除する予察駆除は盛り込まれておりません。区はこれを受けまして生活被害が生じている場合などの捕獲要件により、都から有害鳥獣捕獲許可を受けた事業者に対して、捕獲器設置から適切な処分まで委託し、防除を実施しております。この事業による直近3年間の捕獲数は、令和3年度は30頭、4年度は42頭、5年度は49頭となっております。
次に、駆除以外の予防的な対策及び、また、その費用負担の在り方について御質問いただきましたけれども、予防的対策としてはアライグマ、ハクビシンの生態的特徴と、区民ができる防除対策等の情報発信に努めており、引き続きこれに努めるものと考えております。
なお、一人一人が行う防除対策である消毒費用や、自分の家屋への侵入口を塞ぐ補修費用などの予防策は、現時点では自己で御負担いただくべきものと考えております。
最後にですけれども、周知啓発の強化について御質問いただきました。
これまで、区のホームページや広報誌におきまして、アライグマ等の生態や例えば建物の侵入口を塞ぐ、餌になるものを外に置かない、木酢液などの忌避剤をまくなどの予防策や対応策を紹介しておりますが、また、そのほか、毎年外部講師を招きまして、区民向けの講座も実施しております。
引き続き、これらの基本情報の周知啓発は継続していきますけれども、啓発の強化策として区のホームページにおいて、これまでも区民の方から非常に多く問合せを受けておりますので、その質問に対する答えについてまとめまして掲載し、分かりやすい情報共有発信に努めてまいります。
以上です。

再質問
ペットの備蓄なんですけれども、世田谷防災ギフトのカタログの中には、ペットフードとペットシーツのみとの御答弁でした。なぜ猫砂がないのかということです。猫砂は人間がトイレがないときにも活用できることが知られており、猫を飼っていなくても防災のために備蓄している人もいるという必須アイテムだと考えます。これでは防災知識への認識が甘く、自助意識を本当に区民に持ってもらいたいのか、いささか疑問を持ちました。なぜ猫砂を入れなかったのでしょうか、伺います。
○大塚危機管理部長 防災カタログギフトの再質問に御答弁いたします。
カタログギフトの防災用品につきましては、これまで区で推奨している備蓄品やあっせんしている防災用品のカテゴリーから優先的に選定しております。
本事業は、区民の防災意識を高め、在宅避難への行動変容を促すことを大きな目的としておりまして、選定できる用品には限りもあることから、ペット用品につきましては、先ほど世田谷保健所から御答弁しましたとおり、フードとシーツとしたところです。御質問の猫砂につきましては、2週間から3週間程度は使用できると聞いておりまして、御家庭のものを有効活用していただきたいと考えておりますが、ペット用品の備蓄につきましては、引き続き、飼い主の方々への啓発に努めてまいります。
なお、通常の簡易トイレや携帯トイレは用品に選定しております。
以上です。

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《まとめ》
昨年度の世田谷区における災害時のペット用品備蓄に関する質問で、区がペット用の防災備蓄を行っていないことが判明し、ペット防災の新たな課題をどのように解決していくか改めて質問しました。
東京都動物愛護相談センターやペットフード協会等により構成されるペット災害支援協議会の支援を受けることが可能となり、ペット防災への取り組みがさらに具体化し、進んできていることが分かりました。
また、区内のアライグマやハクビシンの生息が増加しており、捕獲・駆除には助成金があるものの、消毒や穴塞ぎなどの作業費用に対する助成金がない点を問題視し、質問をしました。捕獲された場合は全て殺処分されてしまうため、動物福祉の観点からも、被害発生前に予防対策を強化すべきと訴えました。補助金制度の導入はないものの、予防策の周知啓発を強化するとの答弁を得ました。

 

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