My Assembly Work
2026.06.12
*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。
<質問全文>
◆十一番(若林りさ 議員)
日本維新の会の若林りさです。以下、通告に基づき質問いたします。
私自身、現在妊娠八か月にあり、出産前の最後の一般質問となります。妊娠期を過ごす中で強く感じるのは、妊娠中の困り事は一つではなく、体調、通院、仕事との両立、情報収集、移動、家族や地域とのつながりなど、様々な課題が同時に重なるということです。そこで、今回は妊娠初期から出産前までの時間軸に沿って、区の妊娠期支援が本当に切れ目なく機能しているのか、当事者の視点から伺ってまいります。
まず、電子母子手帳の導入・活用について伺います。母子健康手帳は現在紙で交付されており、妊娠初期に区役所等まで受け取りに行く必要があります。しかし、つわりが重い時期に窓口まで足を運ぶのは大きな負担であり、私自身もなかなか受け取れず苦労いたしました。妊娠期には妊婦健診、ネウボラ面接、各種アンケート、相談先の確認、産後ケア、乳幼児健診など、妊娠中から出産後にかけて多くの手続や支援が続きますが、妊婦本人がこれらを一元的に確認できる仕組みは十分とは言えません。
そこで、紙の手帳を補完するものとして、電子母子手帳を単なる記録アプリではなく、妊娠期から子育て期までの伴走支援の基盤と位置づけるべきと考えます。特に妊娠週数に応じて必要な手続や相談先を通知する機能、健診や面接の記録を本人が確認できる機能、転居や里帰り時にも情報が途切れにくい仕組みは有効です。区として、電子母子手帳に必要な機能や、既存の母子保健事業、子育て支援サービスとの接続の在り方を整理し、導入活用に向けた検討を進めるべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、妊娠期の情報発信について伺います。妊娠期に必要な情報は多岐にわたりますが、現在は、妊娠したらのページや世田谷版ネウボラのページなどで分かれており、届出先や面接の案内、利用できる支援、相談先にたどり着くまでに複数のページを確認しなければなりません。
例えば妊娠届をどこで提出するのか、受付窓口に関する必要なリンクが掲載されていなかったり、区の取組である「産前産後のセルフケア講座」や「マタニティランチ」などについて情報を知らなかったために参加できかったという声も伺っています。その他の関連情報についても十分に掲載されているとは言えず、改善すべき点があると考えます。
また、妊婦にとっては情報が存在しているかどうかだけでなく、必要な時期に分かりやすく届くことが重要です。
区は、妊娠期に必要な情報が妊婦本人に必要な時期に届いているかをどのように検証しているのか伺います。その上で、妊娠初期、中期、後期、出産前といった時間軸に沿って必要な手続、健診、相談先、利用できる支援、緊急時の連絡先などを一覧できるよう、妊娠期サポートタイムラインのような形で情報を整理すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、妊娠期アンケート、面談の活用について伺います。区は国の伴走型相談支援に基づき、妊娠届出時のネウボラ面接と、妊娠八か月アンケートと面談を実施しています。妊娠届出時の面接から出産までには数か月の間隔があり、その間に体調や生活環境が大きく変化する妊婦も少なくありません。
とりわけ、妊娠後期は出産への不安や産後の生活への準備が重なり、支援ニーズが高まる時期です。だからこそ、八か月頃の面談・アンケートは、出産を間近に控えた段階での妊婦の状況を改めて把握できる切れ目のない支援の要となる接点です。
そこでまず、妊娠八か月頃の面談について、実績での実施率は何%か伺います。あわせて、アンケートの回答内容をどのように分析し、どういった形で継続支援につなげているのか、区の見解を伺います。
次に、せたがや子育て利用券の利用実態と分類の整理について伺います。今申し上げたアンケートや面談が、妊婦本人が言葉にした声を把握する手がかりであるとすれば、どのサービスが実際に使われているかという利用行動もまた、家庭が抱える困り事を映し立つ貴重な手がかりです。
せたがや子育て利用券はネウボラ面接を受けた方に交付され、地域の産前産後サービスにつながるきっかけとなる制度であり、その利用実態にはニーズが現れていると考えます。
そこで、区は、せたがや子育て利用券の利用実態を、妊婦や家庭の支援ニーズの把握にどのように活用しているのか伺います。また、現在のせたがや子育て利用券の利用案内ページでは、サービス分類が非常に分かりづらく、利用者が必要な支援にたどり着きにくい点が課題です。利用者にとって分かりやすく、また区としてもニーズを把握、分析しやすくするためには、サービスの分類や案内方法を、困り事別、目的別など利用者目線で見直すべきと考えますが、区の見解を伺います。
次に、出産月による保育園入園機会の格差と、妊娠期からの保活支援について伺います。妊娠しても働き続けられる環境という観点からは、その先にある保育の確保も避けて通れません。しかし、ゼロ歳児クラスは園によって生後何日から受け入れるかが異なるため、出生月によって四月入園時に申し込める園の数が変わる場合があります。保護者から見れば、子どもの生まれ月によって保活の選択肢や難易度が変わることになり、不公平感につながりかねません。
そこでまず、区は出生月や月齢によって、ゼロ歳児四月入園の選択肢に差が生じている実態をどのように把握しているのか伺います。
また、出産後は育児に追われ、制度や申込み時期を十分に調べる余裕がない家庭も少なくありません。母子手帳交付時、妊婦面接、八か月面談、さらには、さきに述べた電子母子手帳といった機会を活用し、妊娠期から出産予定月に応じた入園の見通しを持てる情報提供を行うべきと考えますが、区の見解を伺います。あわせて、ゼロ歳児四月入園が難しい家庭にとって、年度途中入園や一歳児入園への接続も含め、どのような支援が必要と考えているのか伺います。
→《区の答弁》
○向山世田谷保健所長 私からはまず、妊娠期の当事者視点を踏まえた支援体制についてのお尋ね、七点につきまして順次お答え申し上げます。
議員御指摘の機能を備えた電子版の母子手帳の導入には、区民、医療機関、国、自治体の情報連携の環境整備が不可欠です。特に医療機関は、個々の医療機関の環境整備が必要なことに加えて、個別健診の多くで都内共通受診券を使用しているため、都は区市町村の代表と意見交換を行うなどとしておりまして、こうした動向も注視しながら、具体の検討に着手してまいりたいと考えてございます。
次に、妊娠期の必要な情報を必要なときに届けるようにということの検証と、時間軸に沿った情報の整理についてお答え申し上げます。
妊娠期に必要な情報は、母と子の保健バッグをはじめ、区ホームページ等で発信を行っています。特にLINEによる通知は、妊娠週数に合わせて必要な情報を送信し、区民がタイムリーに情報にアクセスできるよう努めています。適切な時期に必要な情報が届いているかを正確に把握することは困難ですが、妊娠期面接や様々な媒体を通じた周知により、おおむね適切な時期に情報が届いているものと受け止めています。
区のホームページでは、妊娠期から出産まで、おおむね時系列で必要な情報を掲載していますが、議員御指摘のとおり、リンクの挿入や関連情報の掲載漏れ等、改善すべき点もあるため、今後関係各課と調整をし、当事者の視点を踏まえた情報発信を進めてまいります。
次に、妊娠八か月の面接の実施率並びにアンケートの活用についてお答え申し上げます。
令和七年度の妊娠八か月面談は、アンケートを送付した方、六千二十七人のうち九十七人であり、実施率は一・六%でした。妊娠八か月面談は原則希望者に実施しており、産後に必要な手続や利用できるサービス等を一緒に確認して、妊婦に寄り添い、産後の見通しを立てています。
また、妊娠八か月アンケートは、回答結果から必要な支援を分析して、地域のネウボラチームに連携しています。例えば体調面や出産準備のサポートが必要な場合は健康づくり課へ、保育や地域情報の案内は子育て応援相談員、地域子育て支援コーディネーターへ情報提供を行っています。区は、アンケートを活用することで、面談という手法に限らず、個々のニーズに即したフォローを実施しております。
次に、子育て利用券の利用実態及びサービス分類の改善についての御指摘にお答え申し上げます。
子育て利用券は、妊娠期から地域資源、サービスを知り、地域におけるつながりを創出して、地域の中で孤立することなく、安心して子育てができることを目的に実施しています。利用実態についてはサービス分類ごとに算出し、利用の多いサービスを把握してはおりますが、必ずしもこれが妊産婦の支援ニーズを示すとは考えておらず、困り事や支援ニーズについては面談等の機会を捉えて丁寧に聞き取り、必要な支援につなげています。
議員御指摘のとおり、現在のサービス分類はサービスがイメージしにくいという課題があることから、今後、当事者の視点を踏まえて、分類の見直しや検索サイトの改修を行うなど改善に取り組んでまいります。
○松本子ども・若者部長 私からは、二点御答弁いたします。
初めに、出生月によるゼロ歳児四月保育園入園の選択肢についてです。
区では、ゼロ歳児の出生時期によって入園のしやすさに差が生じている状況を踏まえ、令和七年度から区立保育園のゼロ歳児クラスの受入れ枠の一部を、十月入園の受入れ枠に振り替える取組を行っているところです。一方で、四月入園の受入れ枠が減少することから、区としましては、まずは新規保育施設の整備などにより、定員の総量確保を最優先に取り組んでまいります。年度途中の受入れ枠のさらなる拡大につきましては、今後のゼロ歳児クラスの入園の申込み状況や定員の確保の状況を踏まえ、慎重に検討してまいります。
次に、ゼロ歳児四月入園が難しい家庭への支援についてです。
本年四月の保育所等への入園申込者数が急増したことに伴いまして、年度途中の入園や一歳児クラスへの入園は一層厳しさが増しており、こうした状況は今後も続くものと見込んでおります。こうしたことから、保育を希望する保護者が必要な情報を必要なときに確認し、子育ての選択ができるよう情報を幅広く適切に御案内することが重要であると認識しております。
区議会での陳情の御判断も踏まえ、認可、認可外を問わず、保育に関係する様々な情報の一元的な公表に鋭意取り組んでまいります。
以上です。
○大澤世田谷総合支所保健福祉センター所長 私からは、妊娠期から出産予定時期に応じた入園の見通しを持てる情報提供について御答弁いたします。
保育園利用を希望する方が、妊娠期から出産、入園までの見通しを持てるような適切な情報提供を行うことが重要であると認識をしております。妊娠期の面接等で入園に関する御相談がある際には、ネウボラチームの子育て応援相談員、地域子育て支援コーディネーターを案内し、保育園の制度や申込み時期、方法など、御希望に応じた情報提供を丁寧に行っております。
私からは以上です。
<再質問>
○十一番 若林りさ議員 御答弁では、保育に関係する様々な情報の一時的な公表に取り組むとありましたが、区民へ提供する情報について、どのような観点から、具体的にどういった情報の公表を検討しているのか伺います。
○松本子ども・若者部長 再質問に御答弁いたします。
保育所等の利用を検討する保護者への情報提供につきましては、保護者が保育入園を検討する際に有益と考えられる情報をより分かりやすく積極的に情報提供することが重要であると考えております。こうした視点から、これまで区がホームページ等で公表している四月一次入園申込者数、待機児童数等の情報に加え、この間、入園可能数に影響のある就学前人口の推移や、保育施設の利用意向率などを公表する情報として検討しております。今後、公表の時期や方法等を併せて議会へもお示しした上で、速やかに実施してまいります。
以上です。
○十一番 若林りさ議員 ありがとうございます。保護者が早い段階で入園の見通しを持てるよう、申込み状況の推移や、年度途中の状況、今後の保育需要の見通し、さらにどの程度の指数で入園に至っているかなど、判断材料となる情報を継続的に分かりやすく公表していただくことを要望いたします。
以上で質問を終わります。
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《まとめ》
【妊娠当事者の視点から、妊娠初期から保活まで切れ目のない支援を】
妊娠中は、体調管理、通院、仕事、各種手続、出産準備、保育園探しなど、多くの課題が同時に重なります。
私自身の妊娠経験を踏まえ、妊娠初期から出産前まで、区の支援が切れ目なく届いているかを質問しました。
電子母子手帳を、必要な手続や相談先を妊娠週数に応じて知らせる伴走支援の基盤として導入すること、分散している情報を時系列で整理することを提案。
区は、電子母子手帳の具体的な検討に着手し、ホームページも当事者目線で改善すると答弁しました。
また、妊娠8か月面談の実施率がわずか1.6%であることが判明。
アンケート結果を継続支援につなげる仕組みや、子育て利用券の分かりにくい分類の見直しを求め、区は検索サイトの改修等を進めるとしました。
さらに、出生月による保育園入園機会の差を指摘し、妊娠期から入園の見通しを持てる情報提供と、申込状況、保育需要、入園指数など判断材料の継続的な公表を求めました。
【妊娠8ヶ月】妊婦議員が議場に立つ。当事者になって見えた「区の課題」とは?|世田谷区議会議員 若林りさ