My Assembly Work
2025.10.09
決算(文教)
○若林りさ委員 日本維新の会の文教領域の質疑を始めます。
主権者教育の充実について伺います。
民主主義社会において、若者が政治に関心を持ち、主体的に社会に参画していくことは極めて重要です。その基盤となるのが学校における主権者教育です。世田谷区では選挙管理委員会が学校と連携して、模擬選挙の出前授業を実施していると承知していますが、令和六年度の実施は十二校、今年度は現時点で僅か三校にとどまっています。区立の小中学校は合わせて九十校あり、都立高校や特別支援学校を含めれば、さらに多くの子どもたちが学んでいます。現状では主権者教育に触れる機会が限られており、将来の有権者としての意識を育むこの重要な学びは、全ての子どもたちにひとしく保障されるべきです。
実施校が少ない理由は把握されていないとのことですが、実施希望校への募集案内を確認したところ、選挙に関する情報が一切掲載されていませんでした。多くの人は選挙日程を把握しておらず、学校もいつ、どの選挙があるのかを知らないままでは実施につながりにくいと考えます。だからこそ、募集案内に選挙日程や実施の意義を明記し、選挙期に合わせて主権者教育を行うよう促す工夫が必要です。
あわせて、主権者教育の機会が一部の学校に限られないよう、より多くの学校で実施できる体制整備が求められますが、区としてどのように取り組まれるお考えでしょうか。
○赤司副参事 主権者教育につきましては、学習指導要領に基づき、社会科の授業を中心として小学校、中学校ともに実施しております。選挙管理委員会が行う模擬選挙出前授業や、税務署や税理士会による租税教室は、児童生徒が主権者として社会に参加する意識を育てる学びの場となるため、重要であると捉えております。
教育委員会としましては、関係機関と連携を図りながら、各学校が模擬選挙を含む出前授業をより積極的に活用するよう、校長会を通じて行っている実施希望校の募集案内について、今後、事業の所管課だけではなく教育委員会からも行うとともに、実施した学校の生徒の声を紹介するなど、周知の仕方について工夫してまいります。
○若林りさ委員 ぜひ、教育委員会からも学校への呼びかけを行っていただきたいと思います。
そこで、より実効性のある取組を提案いたします。海外では本番の選挙と同じタイミングで校内で模擬選挙を実施し、実際の政治課題について議論させる取組が効果を上げています。例えば大統領選挙の際に全国の学校で一斉に模擬投票を行い、その結果を集計して公表するなど、子どもたちがリアルタイムで政治を体験できる仕組みが整っています。
この手法の優れている点は、教科書上の知識にとどまらず、今まさに行われている選挙を通じて社会とのつながりを実感できるということです。テレビやニュースで報じられている候補者や政策について自ら考え、議論し、投票する経験は、政治を身近なものとして捉える絶好の機会となります。
世田谷区でも国政、地方を問わず、実際の選挙が行われる時期に合わせ、模擬選挙だけでなく、授業や特別活動を通じて、子どもたちが主体的に選挙や政治について学ぶ機会を積極的に設けることが望ましいと考えます。その実施に向けた課題と今後の取組方針について教育委員会の見解を伺います。
○赤司副参事 委員御指摘のとおり、主権者教育においては、児童生徒が現在社会で起こっている社会的事象や、社会の動きについて関心を高めることが必要であると考えております。現在、中学校では新聞を活用した朝学習において、選挙を含む時事的な話題を取り上げ要約を行うことで社会への関心を高め、情報を読み取り表現する力を高める取組を行っております。
今後、各学校において、実際の選挙に合わせて授業の実施時期を調整するなど、児童生徒が現在の政治についての関心を高めることができるような取組の工夫について検討してまいります。
○若林りさ委員 実際の選挙に合わせた取組を行っていただけるとのことで、期待いたします。
それでは、視点を変え、現在行われている主権者教育の効果はどのように測定されているでしょうか。どの施策も実施して終わりではなく、効果を検証し、改善につなげるPDCAサイクルが重要です。授業を通じて選挙への関心が高まった、政治について考えるようになったといった意識変化を可視化するためには、授業後のアンケートに選択式の設問を取り入れるなど、児童生徒の意識変化を数値で把握できるよう工夫する必要があります。また、十代の投票率を継続的に追い、そのデータを基に効果を分析し、より質の高い教育につなげ、教育効果を検証する取組を検討する余地もあります。
そこで伺います。区独自のKPIを設定し、PDCAを回す仕組みを構築するために、授業後のアンケートを工夫し、児童生徒の意識変化を数値で把握するお考えはないか、教育委員会の見解を伺います。
○赤司副参事 模擬選挙出前授業では、児童生徒が授業の振り返りとして感想を記述し、それを選挙管理委員会が次回以降の授業に生かしていると承知しております。今後は児童生徒の感想だけでなく、授業後の意識の変化を把握し、授業改善に生かすことができるような振り返りシートの作成等の取組について、選挙管理委員会と連携し、検討してまいります。
○若林りさ委員 効果測定ができる振り返りシートの作成を期待いたします。
最後に、現在、不登校や特別支援学級の子どもたちに対して主権者教育はどのように実施されているのでしょうか。通常の授業に参加できない子どもたちが学ぶ機会を失っているとすれば大きな問題です。オンライン教材や、やさしい日本語、視覚教材の活用などにより、誰一人取り残さない主権者教育の実現は可能です。
そこで伺います。不登校や特別支援学級の児童生徒にも主権者教育を保障する必要があると考えますが、現状の取組と今後の具体的な方策について伺います。
○赤司副参事 不登校や特別支援学級に在籍する児童生徒に対しましても主権者教育の機会を保障することは重要であり、学校では、その実現に向けた工夫を行っております。例えば出前授業の際には、不登校の児童生徒の自宅にオンラインで授業の様子を配信したり、特別支援学級の児童生徒のそばで支援員等が見守りながら授業に参加したりするなど、子ども一人一人の状況に応じた学習が行われるよう取り組んでおります。
引き続き、全ての児童生徒に充実した主権者教育が推進されるよう、振り返りシートの効果的な活用も含め、所管課と連携して取り組んでまいります。
○若林りさ委員 現在、不登校や特別支援学級の児童生徒について、振り返りシートを行っているかということが、まだ把握できていないということでしたので、今後はアンケートの対象に含めていただくことを要望いたしまして、私からの質疑を終わります。
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《まとめ》
将来の有権者を育てる「主権者教育」について、世田谷区の現状と課題を確認しました。区では選挙管理委員会による模擬選挙の出前授業を行っていますが、実施校は区立小中学校約90校のうちごく一部にとどまり、学ぶ機会に大きな差があります。私は、募集案内に選挙日程や意義が明記されていない点を指摘し、教育委員会からも積極的に学校へ働きかける必要性を訴えました。
また、実際の選挙時期に合わせて模擬選挙や授業を行うことで、政治を「今の社会の出来事」として実感できる学びを広げるべきだと提案しました。区は、選挙時期に合わせた授業の工夫を検討すると答えました。
さらに、授業の効果を測るため、授業後アンケートなどで意識変化を数値化し、改善につなげる仕組みづくりを求めました。あわせて、不登校や特別支援学級の子どもたちにもオンライン配信などで学ぶ機会が提供されていることを確認し、今後は効果測定の対象にも含めるよう要望しました。
6. すべての子どもに主権者教育を―模擬選挙の拡充と効果測定の仕組みづくりを【令和7年決算特別委員会】