日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
未来は、変えられる。

応援する

Follow us

My Assembly Work

議会質問

2025.03.14

7.「都市デザインについて」トイレ、ベンチ、壁面の絵も!デザインの力で公共空間をもっと魅力的に心地よく!三軒茶屋から始まる、にぎわいのまちづくり【令和7年予算特別委員会】

【令和7年3月第1回定例会 予算特別委員会】都市整備領域

7.「都市デザインについて」(質問数4+要望2)【都市整備】

*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。

<質問全文>

○若林りさ委員 日本維新の会の都市整備領域の質疑を始めます。

昨年の決算特別委員会では、町のにぎわいや魅力を高める都市デザインについて質問し、豊島区の池袋リビングループを例に挙げ取り上げました。その際、公共空間を活用した取組として、三軒茶屋でストリートファニチャーデザインコンペを開催するとの答弁があり、選ばれた作品の公共空間への設置を要望いたしました。

開催されたコンペの結果及び今後の設置予定や展開について伺います。

 

○菊池世田谷総合支所街づくり課長 三軒茶屋駅周辺では、町の未来図の一つに、くつろぎ空間が育まれる町を掲げ、その実現に向け、地域の多様な主体との連携による社会実験等の様々な取組を行ってまいりました。今年度は、町に不足する滞留空間の創出及び滞在性の向上を通して、さらなる地域の機運醸成を図るため、三茶ストリートファニチャーデザインコンペを開催し、全国から33作品もの応募をいただきました。

令和6年12月の最終審査の結果、にぎわいの創出や今後の発展性などが評価された最優秀賞1点と優秀賞2点の計3点が選ばれ、年度内の完成に向け作成作業を行っているところでございます。この3作品につきましては、来年度の早い段階で公共空間の屋内外においてお披露目イベントの開催を予定しております。その後、茶沢通りでの歩行者天国での社会実験のみではなく、図書館を含めた様々な公共空間でのイベント等で活用し、区民の皆様に触れていただく機会を増やし、三茶のまちづくりのさらなる機運醸成につなげてまいります。

 

○若林りさ委員 今後の運用やどのような町の家具ができるのか楽しみにしております。

しかし、この取組は滞留空間の創出を目的とされているとのことですので、一時的な設置にとどまらず、様々なイベントや活用の機会を増やし、より有効に活用していただきたいと思います。また、にぎわいを創出するイノベーティブな取組は、三軒茶屋のみではなく、ほかの地域でも展開できると考えます。

 

地域ごとの特性を生かしながらまちづくりの一環として進めていただきたいと考えますが、既にある公共空間の中でも、デザイン性を向上させることで、にぎわいの創出が可能ではないでしょうか。例えばベンチは都市デザインの要素の一つでありますが、高齢者や障害者、妊婦の方々等にも配慮した機能性が求められます。デザイン性と機能性も考慮したベンチを増やすことで、より多くの人が集い、地域の魅力を高めることができると考えますが、この点いかがお考えでしょうか。

 

○青木都市デザイン課長 区では、公共施設の外構や道路、公園等へ多様なベンチやスツールなどを設置し、人に優しく歩いて楽しいまちづくりに取り組んでおります。また、平成三十年には誰もが町なかを快適に外出できる環境の整備をより一層推進するため、ベンチ等の設置に関する基本的な考え方やアイデアをまとめた座れる場づくりガイドラインを作成いたしました。

ベンチの設置に当たりましては、安全に安心して座れることはもとよりにぎわいのある地域や緑豊かな地域、歴史と文化を感じる地域など、周辺環境との調和やランニングコストなども考慮する必要がございます。

引き続きベンチ等を設置する場所に応じて、素材や形状などのデザインを工夫しながら、町なかに魅力ある座れる場が広がるよう、関係所管課と連携して取り組んでまいります。

 

○若林りさ委員 考え方は理解いたしましたが、今後は、ぜひ実際に設置後の利用状況の検証にも取り組んでいただきたいと思います。また、ベンチの数が少ないので、もっと増やしてほしいという声も聞きますので、区民ニーズに応えるベンチの拡充を要望いたします。

 

同様の視点から、公園をはじめとする区内の公衆トイレのデザイン改善も検討できるのではないでしょうか。現在、公衆トイレは殺風景のものが多く、壁面などにデザインを取り入れることで、迷惑施設とみなされがちな空間を魅力的な公共空間へ変えることが可能です。例えば地域の子どもたちが参加できる壁画をアートとしてつくり上げるような文化的活用も一案ではないでしょうか。公衆トイレ改修の際に、地域の子どもたちの絵や地域のアーティスト、学生の協力を取り入れるなど、デザイン改善の取組について伺います。

渋谷区では、「THE TOKYO TOILET」プロジェクトを通じ、多くのクリエイターがトイレの美観を向上させ、カンヌ国際映画祭受賞作品となった役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」という映画にもなり大きな影響力がありました。

ここまで大規模ではなくても、公衆トイレの活用は単なる機能改善にとどまらず、地域コミュニティーの参加を促し、公共空間への愛着を育む効果も期待できます。このような取組の実施可能性と想定される課題、そして期待される効果について、区の見解をお聞かせください。

 

○岸本公園緑地課長 区では、これまでにも学生が企画したトイレ壁面のデザインを基に、地域の子どもたちとともに手形ペイントで木の葉を描く取組の実施や子どもたちとワークショップを行い、公園トイレや遊具、園名板などのデザインを考え、施工した事例がございます。

こうした取組は、利用者の快適な施設利用につながるとともに、公共施設に対して愛着を育み、親しみを持って大切に使用いただける一定の効果があったところです。一方で、経年劣化による施設の老朽化や、一部の利用者ではありますが、落書きや破損させるなどの行為も見られる中で、持続的な外観、機能の維持や、そのための施設利用におけるマナー向上など、管理上の課題があるところでございます。

公衆トイレにおけるデザイン改善の取組につきましては、整備後の維持管理の視点も重要であると考えており、区民参加も含め、持続的な管理の方法について、他自治体の状況なども調査しながら実施の可能性を検討してまいります。

 

○若林りさ委員 可能性を検討していくということですけれども、持続的な管理が課題ということで、ぜひ区民参加を活用しまして、町の活性化にもつながる仕組みを導入できるよう、具体的な対策を進めていただきたいと思います。

また、道路の壁面においてデザイン的活用を行った事例として、環状七号線の世田谷代田の壁面アートがあります。この事例がどのようなプロセスで実現したのか、その経緯や課題、成功要因について伺います。

 

○柳澤北沢総合支所長 委員お話しの世田谷代田駅前にある環状七号線の歩道側壁には、かわいらしい動物や花、乗り物等の絵が描かれ道行く人の目を楽しませてくれています。

この歩道は、当時から代田小学校の通学でしたが、谷型の地形のため暗く、壁面には落書きも多く、代田地域の方々からは防犯上の心配をする声が多くありました。そこで、平成16年に代田小学校PTAを中心に、町会や商店街などが協力し、壁面に明るい絵を描こうというプロジェクトが立ち上がりました。壁画の作成に当たりましては、都や区の関係機関との協議を行い、地域の子どもたちと一緒に約9か月間の制作期間を経て完成いたしました。

現在は、世田谷代田を住みよく安心なまちにしよう!プロジェクト、通称SAPと呼ばれる市民活動団体が、春と秋の年二回、地域で参加者を募り、壁画の定期メンテナンスを実施してございます。

 

○若林りさ委員 壁に絵を書いたことで落書きがなくなったり、周囲のごみのポイ捨ても減るなどという事例があり、アートを活用したとても効果的な取組だと思います。町のデザインの向上は、区民の生活の質を高めるだけでなく、観光や産業振興にもつながる可能性があります。世田谷区の特性を生かした魅力的で持続可能なまちづくりに向けてより一層の取組を期待いたします。

以上で私からの質問を終わります。

===========

《まとめ》

デザインの力で公共空間をもっと魅力的に心地よく!三軒茶屋から始まる、にぎわいのまちづくり。

町の魅力向上につながる都市デザインの取組について質疑を行いました。三軒茶屋では「ストリートファニチャーデザインコンペ」が開催され、全国から33作品が集まり、最優秀賞など3点が選出。これらは今年度中に完成し、来年度には茶沢通りなど公共空間での展示や活用が予定されています。

こうした取組を一時的なものにとどめず、他地域にも広げてほしいと要望。

特にベンチなどは高齢者や妊婦の方々にも配慮したデザイン性と機能性の両立が求められると指摘しました。区は、設置のガイドラインに基づき、景観や利用環境に応じて今後も整備を進めると答弁しました。

さらに、トイレなどの公共施設についても、地域の子どもたちやアーティストが壁画を手がけるような文化的活用を提案しました。渋谷区の「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは役所浩司さん主演の「PERFECT DAYS」というカンヌ国際映画祭受賞作品にもなったように、デザインの力でトイレのイメージを一新する取組もあります。区も過去に同様な事例があるとし、今後は持続可能な維持管理のあり方も含め検討していくと述べました。

また、環七沿いの世田谷代田駅前の壁面アートについても取り上げました。地域住民と子どもたちによる共同制作により、暗く落書きの多かった場所が、地域の安心・美観向上に貢献した好事例です。(なんとこの壁画はアニメ映画のワンシーンにも!2024年公開『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』浅野いにおさん漫画原作作品)

アートやデザインによるまちづくりは、生活の質を高めるだけでなく観光や産業にもつながります。世田谷らしい、誰もが居心地よく過ごせる持続可能な都市づくりをもっと進めていきたいと考えています。

  • 7.「都市デザインについて」トイレ、ベンチ、壁面の絵も!デザインの力で公共空間をもっと魅力的に心地よく!三軒茶屋から始まる、にぎわいのまちづくり【令和7年予算特別委員会】