日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
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議会質問

2025.03.11

5.「事業承継の取組について」失われる前に、つなぐ技術と味――事業承継を本格化【令和7年予算特別委員会】

【令和7年3月第1回定例会 予算特別委員会】区民生活領域

5.「事業承継の取組について」(質問数2+要望1)【区民生活】

*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。

<質問全文>

次に、事業承継の取組について質問いたします。

区では、昨年10月から事業承継プラットフォームであるリレイ・ザ・ローカル世田谷区をスタートさせたと伺っています。高齢化や後継者不足により、長年地域を支えてきた優れた技術やサービスが失われていくことは、区の経済的・文化的損失につながります。このプラットフォーム事業における現在までのマッチング成立件数と当初目標との乖離について、区はどのように分析しているでしょうか。また、事業者からはどのような声が寄せられているかお聞かせください。

 

○北経済課長 世田谷区地域経済発展ビジョンでは、事業承継プラットフォームへの事業譲渡を希望する事業者掲載数の目標値として、令和6年の初年度は5件、令和9年度までに20件、計画の最終年度の13年度までに40件と設定しております。事業の開始が年度途中の昨年の10月だったこともあり、現在の掲載件数は2件、またマッチング件数はまだありませんが、その後、啓発セミナーを2回開催し、どちらも40人弱の参加があるなど、承継に関する関心は高いものと考えております。

事業者からは、譲り手からは地域に愛される事業を展開してくださる方をお待ちしている、継ぎ手希望者からは、事業の譲り手や継ぎ手の思いが伝わるオープンな承継の大切さが理解できたなどの声をいただいており、経済的価値と非経済的価値の両立を目指す区のビジョンに即した、世田谷らしい支援方式であると認識しております。

 

○若林りさ委員 今年度の目標値5件に対して、掲載件数2件で、マッチング数はまだゼロ件と目標を下回っておりますが、需要自体があることは見受けられておりますので、やはり周知の点に力を入れていただきたいと要望いたします。

また、現在行っている世田谷区未来につなぎたい店の投稿フォームは、区民目線で世田谷区の未来につなぎたい店、味、技術を口コミで募集することで価値ある事業を発掘する重要な取組だと考えます。しかし、現状では口コミ総件数が269件のうち、235件が主にアマゾンギフト券が当たるキャンペーン期間中に集中していると聞いております。

目標数値を確実に達成し、さらに上回るためには、単発のキャンペーンを行いながらも、地元商店会や金融機関との連携強化、承継成功事例の積極的な広報など、より持続的な仕組みづくりが必要ではないでしょうか。区の今後の方針についてお聞かせください。

 

○北経済課長 区のプラットフォーム事業においては、一般の方から数多くの情報を得てサイトへの掲載につながるよう、お店の口コミ情報を募っております。また、お寄せいただいた際インセンティブを付与する期間限定キャンペーンを行ったところ、件数が大幅に増加するなど、一定の効果があったと捉えております。

今後も、事業者の円滑な承継につなげるためには、これまでの取組に加え、関係団体との連携強化は不可欠であると認識しており、区では今年1月に東京都事業承継・引継ぎ支援センターの御協力の下、東京都産業労働局や東京信用保証協会、さらには区の産業振興公社等による意見交換会を実施いたしました。各関係団体は、それぞれの特色を生かした様々な支援策を実施しているため、今後は一層連携し、区内事業者の円滑な承継につながるよう努めてまいります。

 

○若林りさ委員 小規模事業者の廃業は、地域コミュニティーの喪失にもつながりかねない重要課題です。区内の価値ある事業が次世代に引き継がれるよう、効果的な支援の取組を引き続き進めていただきますようお願いいたします。

以上で私からの質問を終わります。

 

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《まとめ》

「未来につなぐ技術や味」を守るために――事業承継を後押し

世田谷区は、後継者不足で廃業の危機にある地元の事業を次世代へつなぐため、昨年10月に「事業承継プラットフォーム」を開始。しかし、今年度の目標5件に対し、現在の掲載数は2件、マッチングは0件。事業者の関心は高い一方で、周知不足が課題だと指摘。投稿型口コミ制度「未来につなぎたい店」も、キャンペーン頼みではなく、商店会や金融機関との連携、成功事例の紹介など持続的な取り組みが必要だと提案しました。

  • 5.「事業承継の取組について」失われる前に、つなぐ技術と味――事業承継を本格化【令和7年予算特別委員会】