Action-2
2025.05.21
*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。
<質問全文>
最後のテーマとして、動物関連施策について質問させていただきます。学校飼育動物は、子どもたちの情操教育や生命尊重の意識を育む上で重要な役割を果たしています。しかし、夏休みなどの長期休暇中の管理が課題となっており、特にウサギの飼育については適切な世話が行き届いていないケースが報告されています。この問題の解決には、既存の人的リソースや制度を活用した管理体制の整備が必要です。そのための具体策として、警備員の見回り業務に飼育動物の補助について役割を担うことを明確に位置づけ、周知を徹底することが求められます。また、動物連絡員制度を活用し、研修を受けたボランティアによる管理体制を構築することが考えられます。こうした仕組みを整備し、学校飼育動物の適切な管理を実現するために区としてどのように対応すべきか、見解を伺います。
さらに、より抜本的な解決策として、外部機関との連携による新たな取組を提案させていただきます。愛知県の獣医師会や豊田市動物愛護センターではモルモットのホスティング事業を実施しています。これは、教職員の負担軽減と、子どもたちが身近に動物と触れ合う経験ができるよう、獣医師が全面的にバックアップして、一定期間、モルモットを飼育設備とともに貸与する事業のことです。この事業では、獣医師会から愛知県内の小学校にモルモットを貸し出し、子どもたちが餌やりや清掃、体調管理などの世話を行います。長期休暇の間は獣医師会が預かることになっていますが、希望があれば子どもの家庭にホームステイも可能です。また、学校が希望すれば、獣医師会の支援を受けながら飼育設備ごと譲渡を受けることもでき、継続的な飼育を通じた教育の充実を図ることもできます。このように専門家による適切な飼育管理が確保されるとともに、教職員の負担軽減にもつながる画期的な取組と言えます。
そこで伺います。このような仕組みを導入することで、教員の負担軽減や働き方改革にも寄与できると考えますが、区の見解を伺いまして、壇上からの質問を終わります。
→《区の答弁》
○秋山学校教育部長
私から、2点について御答弁いたします。まず、学校飼育動物の適切な管理についてです。小学校において動物を飼育している学校数は半数以下となっておりますが、各学校において飼育委員会などを設置し、児童自らの手で長期間において世話をすることは、議員御指摘のとおり、情操教育や生命尊重の意識を育む上で重要だと考えております。小動物の飼育が初めての児童も多く、その専門的な知識を持つ獣医師との連携は重要であり、獣医師、そして、子どもたちの世話をサポートする教員、さらに、その教員をサポートする警備員や学校主事とともに、夏季休業中において冷房の効いている校舎内で飼育するなど、各学校においてできる限りの飼育をしております。このように責任を持って飼育することが必要であり、教育委員会としましては、児童をはじめ、教職員等で行うことが基本であると考えております。学校において、議員御指摘の長期休暇中においてもさらに適切に管理ができるよう、学校警備につきまして、その職務内容において施設内の動植物への給餌等、飼育及び栽培の補助と位置づけておりますが、学校休業日に一日に4回以上学校内を見回るという職務特性を生かし、さらに職務内容を明確にし周知するとともに、各種制度のさらなる活用や連携について検討してまいります。
次に、学校飼育動物について御提案をいただきました。教育委員会としましては、学校飼育動物の管理は、児童をはじめ教職員等が行うことが基本であると考えております。議員御提案の事業につきましては、動物を飼育している学校数が減少している中、1学期を一期間とし、1年間を最長とすることから、子どもたちが愛着を持って飼育できる期間があること、また、獣医師会という専門家が実施主体であること等、評価できる内容がございます。今後、学校内における飼育動物の管理を適切にしていく上で、本事業における近隣での実績等の把握や、現在各学校で飼育している動物の取扱い等を調査確認するなどし、学校として導入が可能かどうか、検討してまいります。以上でございます。
《再質問》
○十一番 若林りさ議員
また、学校飼育動物の管理についてですが、警備員が動物アレルギーや苦手意識を持つ場合、飼育補助の対応が難しくなるため、この点、採用時にしっかり説明と確認が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○秋山学校教育部長
再質問にお答えいたします。警備員の採用、配置に当たりましては、各受託事業者が業務内容の説明、確認を行っており、これまで動物アレルギー等で学校への配置が困難となった事例はないと伺っております。また、実際に動物アレルギー等で飼育補助が困難な事例が生じた場合には、受託事業者において、当該事業者の雇用している警備員の中でアレルギー等がない者を配置するなど、運用を工夫してまいります。以上でございます。
○十一番 若林りさ議員
今後運用を工夫していただけるということです。その点、要望いたしますので、よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。
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《まとめ》
「命の教育」の陰で…ウサギの世話が夏休みに放置? 教員の負担減らす新たな仕組みも提案
学校で飼育されているウサギなどの小動物は、子どもたちに命の大切さを学ばせる教育的な役割を果たしています。しかし、夏休みなどの長期休みに十分な世話がされていない実態が報告されています。この問題を取り上げ、警備員の見回り業務に「飼育補助」を明記して責任を明確化すること、また動物連絡員など地域のボランティア制度を活用すべきと提案。さらに、愛知県のように獣医師会と連携してモルモットの貸し出しを行う「ホスティング事業」の先進事例も提案しました。
区からは現在も警備員による見回りや、冷房の効いた校舎での飼育など対応していること、加えて、警備員の職務内容の明確化や制度の更なる活用を検討すると前向きな答弁もありました。外部団体との連携による新たな飼育支援制度についても、他自治体の事例を参考に、導入の可能性を探るとの回答がありました。
動物を通じた学びの機会を守りつつ、無理のない管理体制をどう築くか。今後の制度設計が注目されます。再質問では、動物アレルギーのある警備員への配慮も要望し、対応するとの回答が得られました。
3.「動物関連施策について」命の教育の陰で…ウサギの世話、夏休みに放置?教員の負担を減らす新たな仕組みも提案!【令和7年第1回定例会】