日本維新の会 世田谷区議会議員 若林りさ
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議会質問

2025.05.12

8.「自転車対策について。コンビニの数より多い、シェアサイクル急増! 安全な自転車ネットワークと利便性向上を推進し、赤字事業はカットせよ!」【令和6年決算特別委員会】

【令和610月第3回定例会 決算特別委員会】

「自転車対策について」【都市整備領域】(質問数2+要望2)

*全文を掲載しておりますが、最後の《まとめ》をご覧いただくことで、内容を簡潔にご理解いただけます。

<質問全文>

若林りさ 委員 初めに、自転車対策について伺います。
世田谷区では、自転車が通勤、通学、買物などの移動手段として広く利用され、特に南北の交通の便が悪い地域もあることもあり、多くの人々が活用しています。また、近年の健康志向や環境意識の高まりにより、自転車利用者は増加傾向にあります。一方で、交通事故全体の件数は減少しているものの、自転車と歩行者の事故件数は増加しており、安全で快適な走行環境の整備が急務となっています。
区では、平成27年に策定された世田谷区自転車ネットワーク計画に基づき、自転車専用通行帯やナビマークの設置など、自転車通行空間の整備を進めています。令和5年度末時点で計画された区道の延長約167キロメートルのうち、約55キロメートルが整備済みとなっています。この整備は、道路改修計画と合わせて進められ、コスト削減も図られています。
しかし、一部の区民の方からは、なぜこの道路には自転車の専用道路があるのにこっちにはついていないのかといった声も聞かれます。
そこで、自転車専用通行帯の優先整備路線の設置基準についてお聞かせください。どのような基準で設置場所を決定しているのでしょうか。また、区民からの要望に対して柔軟に対応することは可能でしょうか。例えば、特定の地域から強い要望があった場合、計画を見直す仕組みはあるのでしょうか、伺います。

◎佐久間 交通安全自転車課長 本計画における自転車ネットワーク路線につきましては、都市計画道路や自転車利用の多い路線、自転車関与事故の多い路線、公共施設や駐輪場などの施設に連絡する路線などを基準に選定しております。
優先整備路線につきましては、効果的かつ効率的に自転車通行空間の整備を進めるため、選定基準を駅周辺の路線、自転車関与事故の多い路線、連続性を確保するための路線とし、計画路線延長約167キロメートルのうち約73キロメートルを優先整備路線として位置づけております。
区民からの要望については、ネットワーク路線が対象となりますが、道路幅員や自転車の交通量、事故の発生状況など現場状況を把握した上で、自転車ネットワークを形成する路線としての必要性を総合的に検討し、交通管理者、関係所管などと協議する中で判断いたします。
区といたしましては、引き続き自転車ネットワーク計画を推進し、歩行者、自転車、自動車がともに安全で快適に通行できる道路環境の整備を進めてまいります。

若林りさ 委員 自転車ネットワーク路線の選定基準として妥当な要素が挙げられていますが、優先整備路線が全体の約半分にとどまっている点は疑問です。全体計画があるにもかかわらず、なぜこれほど優先範囲が限定されているのか、また、基準に基づく整備が十分に効果を上げているのかについて、さらなる説明が必要であると考えます。
次に、近年急速に普及しているシェアサイクル事業に関して伺います。
世田谷区内では、LUUPのポート数がコンビニの数を上回っており、シェアサイクルの利用と需要が多いと認識しています。これらのシェアサイクル事業者との連携による自転車利用環境改善の可能性について、区の見解と具体的な検討状況をお聞かせください。
例えばシェアサイクルのステーション設置と自転車専用通行帯整備を連動させるなど、総合的な自転車利用環境の向上につながる取組を検討されているでしょうか、伺います。

◎佐久間 交通安全自転車課長 区と協定を締結している民間シェアサイクル事業者の令和6年8月末時点の世田谷区内のポート数につきましては、ハローサイクリングが182か所、ドコモバイクシェアは25か所の合計207か所に設置されております。
民間シェアサイクルによる自転車利用環境の改善として、地域の偏りのない区内外の移動を含めた適切な場所へのポート設置をするため、駅周辺や公共交通不便地域といったスペースの確保が難しいエリアにおいても公共施設がある場合は、官民連携して、その公共施設の一部スペースを貸借し、ポート拡充を進めております。
今後も区民の自転車利用の利便性向上のため、自転車ネットワーク計画路線の進捗も確認しながら、シェアサイクル事業者と連携して、民有地、区有地へのポート拡充を進めることで、自転車利用環境の改善に取り組んでまいります。

若林りさ 委員 シェアサイクルのポート設置が順調に拡充されている点は評価できますが、設置場所が地域的に偏りがないか、具体的な検討が求められます。また、スペース確保が難しい地域でのさらなる官民連携の取組が重要です。引き続き、計画的なポート拡充による自転車利用環境の向上に期待しますが、進捗の具体的な数値や課題への対応も示していただきたいです。
また、区が独自に行ってきたがやリンという平成8年度からのレンタサイクル事業ですが、時代の変化や民間事業の拡大に伴い、現在この事業は年間3000万円以上の赤字が続いていると報告を伺っております。令和7年度末までに廃止予定の提案もあるとのことですが、必要性が低下した事業は速やかに廃止し、民間への移行を進めていただきたいと考えます。また、廃止後の跡地については、駐輪場の拡充や新たなシェアサイクルポートの設置など、有効活用を要望いたします。
またあわせてお伝えいたしますが、現時点では区有地に設置されているシェアサイクルポートには賃料が発生していないとのことです。まずは、ポートの拡充を通じて区民の利便性向上に注力すべきだと考えますが、その上で事業が安定し、シェアサイクルポートが十分に整った際には、賃料の徴収を検討し、稼ぐ世田谷区という視点も取り入れていただきたいと要望いたします。今後も官民連携を強化し、自転車利用環境の改善と拡充を進めていただきたいです。
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《まとめ》

【自転車対策について】

世田谷区では自転車利用が増える一方で、自転車と歩行者の事故が増えており、安全な走行環境整備が課題となっています。平成27年策定の「自転車ネットワーク計画」に基づき、専用通行帯やナビマーク設置を進め、167kmの計画路線のうち55kmが整備済みです。

しかし、優先整備されているのは計画全体の約半分にとどまっており、基準や整備効果について、より丁寧な説明が求められると指摘しました。また、区民からの要望に応じた柔軟な対応や、必要に応じた計画の見直しも行うべきと意見を述べました。

【シェアサイクル事業との連携について】

近年、区内ではシェアサイクルの利用が急増しており、LUUPのポート数はコンビニの数を上回っています。現在のポート数は207か所に増加し、駅周辺や交通不便地域での設置も進んでいます。今後も民有地・区有地を活用し、ネットワーク計画と連動した環境整備が必要です。

また、利用が低迷している区独自のレンタサイクル事業「がやリン」は令和7年度末で廃止予定となっており、跡地の有効活用を求めました。さらに、現在無償となっている区有地ポートについて、将来的な賃料徴収も視野に入れ、稼ぐ区政の推進を提案しました。

  • 8.「自転車対策について。コンビニの数より多い、シェアサイクル急増! 安全な自転車ネットワークと利便性向上を推進し、赤字事業はカットせよ!」【令和6年決算特別委員会】